帝国データバンクは3日、2014年8月の景気動向調査の結果を発表した。それによると、8月の景気動向指数(以下、景気DI)は前月比0.7ポイント低下の46.2となり、3カ月ぶりに悪化した。

8月は、天候不順が農・林・水産やサービス関連に悪影響を与えた。さらに、輸出悪化により生産・出荷が伸び悩む一方で在庫が膨らむなど、広範囲の業種で回復が遅れた。同社は「国内景気は足踏み状態となっており、先行きに慎重な見方も出始めている」と分析している。

全国の景気DI(出典:帝国データバンクWebサイト)

地域別に見ると、全10地域で悪化。台風が直撃した四国は前月比0.2ポイント減の44.9、近畿は同1.0ポイント減の44.4と、低水準に。また、北海道や北関東などで1ポイント以上悪化したのに対し、東北や中国などは小幅な悪化にとどまるなど、地域間格差は4カ月連続で拡大した。

業界別では、全10業界中、「金融」「製造」「農・林・水産」「サービス」など、8業界で悪化。天候不順が西日本を中心にサービス分野で悪影響を及ぼしたほか、燃料費の高止まりなどにより広範囲の業種で回復が遅れた。一方、「小売」は自動車や家具など高額品が堅調で2カ月ぶりに改善した。

今後の見通しについては、「国内景気は上昇傾向にあるものの、景気の下押しリスクも顕在化しつつある。景気見通しはピークの3月以降、伸びが鈍化傾向にあり、景気上昇の勢いは弱まるものとみられる」としている。

調査期間は2014年8月18日~31日。有効回答数は1万1,023社。