特撮TVドラマ「仮面ライダー」シリーズの最新作『仮面ライダードライブ』の制作発表会見が28日、都内で行われ、主人公・泊進ノ介を演じる竹内涼真をはじめとした主要キャストが発表された。

左から松岡充、上遠野太洸、蕨野友也、松島庄汰、片岡鶴太郎、竹内涼真、内田理央

『仮面ライダークウガ』(2000年)を第1作とする「平成ライダー」としては16作目となる『仮面ライダードライブ』では、ヒーローのモチーフに「車」を採用。「バイクではなく、車(のみ)に乗る仮面ライダー」となった。かつての仮面ライダーシリーズでは『仮面ライダーBLACK RX』(1988年)の4輪マシン「ライドロン」や、『仮面ライダー龍騎』(2002年)の契約モンスター・ドラグレッダー、『仮面ライダー電王』(2007年)の"時の列車"デンライナーなど、バイク以外のマシンやモンスターに乗って戦った仮面ライダーは多く存在したが、必ずライダーの代名詞というべき2輪車(オートバイ)も欠かせないマシンとして使われていた。本作の「車のみを使うライダー」というコンセプトは、シリーズ初の試みとなる。

そして本作には、もうひとつの「初めての試み」がある。それは「刑事」を主人公にした仮面ライダーだということ。『仮面ライダーアギト』(2001年)の仮面ライダーG3=氷川誠や、『仮面ライダー龍騎』の仮面ライダーシザース=須藤雅史、『仮面ライダーW/ダブル』(2009年)の仮面ライダーアクセル=照井竜など、過去のシリーズにも刑事のライダーは登場したが、いずれも主人公ではなくサブの役割を務めていた。本作では、警視庁の刑事を主役にすることで「謎解き」と「事件解決」という「刑事ドラマ」の要素をプラス。子供たちだけでなく、幅広い層が楽しめる作品を目指していくという。脚本は、『仮面ライダーW』や『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)でメインライターを務めた脚本家の三条陸氏、そして長谷川圭一氏が手がける。作品世界の骨子を担う第1、2話(パイロット)の監督は、田﨑竜太氏が務めている。

テレビ朝日・佐々木基氏

東映・大森敬仁氏

プロデューサーを務めるテレビ朝日の佐々木基氏は、ライダー史上初の「刑事ドラマ」という本作の特色について「刑事ドラマならではの謎解きや事件解決を、1話完結で観やすい構成にしています」と説明。そして「今回の車(トライドロン)はとにかくすごいんです。男の子の興奮をかきたてるスーパーマシンが大活躍します」と、ヒーロー番組の王道を行く自信をのぞかせた。

東映プロデューサー・大森敬仁氏からは「"車にしか乗らない"ライダーは史上初です。しかし、ここ数年のシリーズの中でも、ライダーとマシンが一体となって戦うシーンが多くなる作品になるでしょう。往年の『仮面ライダー』におけるバイクアクションに胸を熱くさせた方々の心にも、必ず刺さるライダーだと信じています」と、今回の『ドライブ』がライダーの「モデルチェンジ」をしつつ「ルーツ」を描き出す作品だとアピール。第1作『仮面ライダー』(1971年)を見ていた世代が「おじいちゃん」になりつつある昨今、3世代にわたって楽しんでもらえる作品を作ろうというコンセプトを掲げている。

続いて、主人公・仮面ライダードライブ=泊進ノ介を演じる竹内涼真、ヒロイン・詩島霧子を演じる内田理央が登壇。そして佐々木プロデューサーから「史上最強のイケメン敵チーム」と呼ばれたロイミュードのチェィス役・上遠野太洸、ブレン役・松島庄汰、ハート役・蕨野友也が続き、最後に警視庁特状課課長・本願寺純を演じる片岡鶴太郎がステージに姿を見せた。

子供のころから両親ともども仮面ライダーが大好きで、仮面ライダーになりたくて芸能界に入ったという竹内。仮面ライダーにつきもののアクションに関して「ずっとサッカーをやっていたんですが、本格的なアクションは初めて。とても楽しくて、張り切って練習していたら、ズボンのお尻を破いてしまいました」と、張り切ったゆえの失敗談を打ち明けた。そして「刑事の役ですので、子供たちに警察官って"カッコいい"と思われるような役にしていきたい。キャストとスタッフが力を合わせて最高の作品にしたいと思います!」と抱負を述べた。

決して笑顔は見せないが格闘戦に長け、進ノ介をサポートするスーパー婦警・霧子を演じる内田もまた、母娘そろって仮面ライダーのファン。アクションの多い役柄であるため「撮影開始からいきなりアクションシーンばかりだったので、筋肉痛で寝込んでしまいました」と苦労話をしつつ「不愛想な女の子なんですが、男性はもちろん、女性の方々にもカッコいいなと憧れてもらえるようなヒロインを演じたい」と、役にかける熱意を見せた。

人類の敵となる人造人間ロイミュードの殺し屋・チェイスを演じる上遠野は、実はこれまでにも仮面ライダーシリーズのオーディションを受けた経験があったという。「今回で初めてオーディションに受かり、しかもずっと演じてみたかった悪役だったので、うれしいです」と喜びを語り「どうにかしてドライブに勝ちたい!」と前代未聞の「悪の勝利」を熱望。悪を演じるにあたって「ただのワルでは面白くないので、深さを求めて演じたい」と話した松島は、「悪が魅力的なほど、面白い作品になる」とヒーロー作品における悪の重要性を強調していた。そして、子供の頃から日曜の朝は次回予告までライダーを観たいため、いつも部活に遅刻していたという蕨野は「僕はボスなので、ドライブとの直接対決はまだありませんが、いずれは一騎打ちをする機会があるでしょう」と、来るべきライダーとの決戦の日に期待を寄せていた。

そして、テレビ朝日「土曜ワイド劇場」の人気シリーズである『終着駅シリーズ』で、主人公の牛尾刑事を演じているベテラン俳優の片岡は「牛尾刑事を20年近く演じてきて中高年のファンが多くなりました。若年層のファンを狙うには『仮面ライダー』しかない! と思って出演しました」とオファーを受けた経緯を語り、「できれば、私も変身してみたい。プロデューサーさん、ご一考願います」と、自らライダーへの「変身」を希望。そして、ベテラン俳優らしく若い出演者たちに「アクションの多いドラマですから、しっかり食べて。一生懸命撮影して、いい作品にしましょう」と激励の声をかけた。

会場には、スペシャルゲストとして『仮面ライダードライブ』の主題歌「SURPRISE-DRIVE」を歌う松岡充が登場。松岡はかつて『仮面ライダーW』の劇場版『仮面ライダーW  FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ』と、そのスピンオフムービー(Vシネマ)『仮面ライダーエターナル』で主題歌を歌い、本作が「仮面ライダー」の楽曲としては3曲目となる。本作のために「Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE」というユニットを結成した松岡は「EARNEST DRIVEとは"本気"を意味しています。『仮面ライダードライブ』を本気でサポートしていきたいという思いを込めて名付けました」とユニット名の由来を明かした。また松岡は「日本で活躍しているロックミュージシャンの猛者が集結したユニットです。ライブアーティストですから、テレビだけではなくて、子供たちの目の前で歌える機会をどんどん作っていきたいと今から考えています」と、今後の展望を語っていた。

『仮面ライダードライブ』は、2014年10月5日(毎週日曜8:00)より、テレビ朝日系全国ネットで放送をスタートする。

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