バイク買取専門店「バイク王」を展開するバイク王&カンパニーはこのほど、より安全なバイクライフをサポートするため、「夜間の安全と色彩に関する実証実験」を実施した。結果発表は都内で行われ、バイク好きで知られるタレントのヒロミさんらがゲストで登壇。夜に最も目立つ色で塗装されたヘルメットもお披露目された。

「毎日のようにバイクに乗っている」というヒロミさん。ブログにもバイクライフをつづっているそう

実験結果をもとに、夜間に遠方からでも見つけやすいヘルメットの色を推定。塗装色に採り入れたヘルメットが披露された

約40年ぶりに行われた色彩実験、その結果は…

バイク王&カンパニーが実施した「夜間の安全と色彩に関する実証実験」は、夜にクルマから見えやすい色を検証するというもの。実験結果をもとに、夜間に遠くから見つけやすいヘルメットの色も推定したという。同社取締役会長の加藤義博氏は実験の目的を、「ライダーの皆様に安全で楽しいバイクライフをご提案するため」と説明した。

現状、安全性に関わる色別の目立ち(誘目性)や遠くからの見つけやすさ(視認性)は、約40年前の実験結果がベースになっているとのこと。現在はクルマのヘッドライトもHIDが主流となりつつあり、40年前と比べてヘルメットやウェア類に用いられる色彩も多様化。今回の実験は、こうした実情を踏まえて行われたそうだ。

15色に塗装された卓球用のピンポン球。実験では、1色ずつ被験者に徐々に近づけて、球の存在が確認できた位置の距離を計測した

実験中の写真。夜間の一般道を想定した証明環境で行われ、被験者の横に停めたクルマからはヘッドライトを照射したとの説明があった

実験結果から、夜間に遠方からでも見つけやすいヘルメットカラーは蛍光イエローと推定

日本色彩研究所の名取和幸氏(写真右)を迎え、簡単な色彩実験も行われた

その結果、夜間の路面でクルマから最も見えやすいのは蛍光イエローであると判明。その平均視認距離は47.5mで、視認性最下位となった黒(9.5m)の約5倍も見えやすいという結果に。白も平均視認距離も47.1mと、蛍光イエローとの差がほとんど見られなかった。

興味深いのは、「蛍光ピンクよりも普通のピンクのほうが見えやすい」「蛍光グリーンの平均視認距離が蛍光イエローの約7割にとどまる」などの結果が出たこと。一般的に目立つとされる蛍光カラーでも、夜間におけるクルマからの視認性という点では、ひとくくりにできないことが確認されたといえる。

最も目立つ色・蛍光イエローのヘルメットを提案

今回の実験結果を受け、クリエイティブ分野の専門スクール「バンタンデザイン研究所」の学生たちが、「交通安全×デザイン」をテーマにヘルメットをデザインする産学協同プロジェクトも紹介された。蛍光イエローが採用された5種類のヘルメットを披露し、それぞれモデルが着用してポージングを行う場面も。

ベースカラーまたは一部に蛍光イエローが採り入れられたヘルメット5種類を公開。学生たちがデザインした

ヘルメットを着用したモデルも登場。デザイン画も紹介し、学生自らコンセプトを説明した

蛍光イエローの衣装で登場した鈴木あきえさん。「芸能界で目立つには?」をテーマに、ヒロミさんとトーク

バイク好きで知られるヒロミさんらをゲストに迎えてのトークショーも開催。蛍光イエローのヘルメットについて、「被ったことはないけど、目立っていいなとは思う」とコメントした。ちなみに自身のヘルメットは、「白が多い。あとはオートバイに合わせたカラーリングにするとか」とのこと。

事務所の後輩でタレントの鈴木あきえさんは、アイドルをイメージした蛍光イエローの衣装で登場。「いちばん目立つ色ということで発注したんですが、松本伊代さんへの尊敬や憧れが隠せない仕上がりになりました」と衣装をアピールする鈴木さんに対し、「ウチのママ、こんな格好しませんけどね」とヒロミさんがコメント。会場の笑いを誘っていた。

遠くからでも存在を認めやすい色(バイク王&カンパニー調べ)

  平均視認距離
1位 蛍光イエロー 47.5m
2位 47.1m
3位 蛍光オレンジ 43.8m
4位 43.7m
5位 オレンジ 34.2m
6位 ピンク 35.4m
7位 蛍光ピンク 35.0m
8位 蛍光グリーン 34.2m
9位 黄緑 32.8m
10位 24.0m
11位 21.1m
12位 水色 18.9m
13位 11.5m
14位 9.9m
最下位 9.5m