女優・石原さとみが俳優・玉木宏と初めて共演した映画『幕末高校生』が、26日から公開をスタートする。今年は本作のほか『MONSTERZ モンスターズ』に出演。ドラマでは『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)での小悪魔キャラが話題になったことも記憶に新しい。明るく溌剌としたイメージが印象的な彼女だが、一時は外に出るのも億劫(おっくう)になるほど、ストレスを抱えていた時期があったという。
2002年、深田恭子や綾瀬はるから数々の女優を輩出した「ホリプロスカウトキャラバン」でグランプリを受賞。翌年デビューを飾った映画『わたしのグランパ』で日本アカデミー賞をはじめ数々の新人賞を総なめにした。「どう見られたいかとか、見栄だったりとか、知ったかぶりだったりとか、十代ならではの背伸びとか(笑)。いろいろしてきました」とこれまでの歩みを振り返る石原。『幕末高校生』で演じた役柄と自身の成長を重ね合わせた。
『デトロイト・メタル・シティ』(2008年)で知られる李闘士男監督がメガホンをとった本作は、眉村卓の小説「名残の雪」を原案に、若年層をターゲットにしたエンタテインメント新時代劇。石原が演じたのは一生懸命さが空回りする教師・川辺未香子で、3人の生徒とともに新政府軍と幕府軍の戦いがはじまろうとしていた幕末にタイムスリップしてしまう。そこで玉木宏演じる勝海舟と出会い、未来を守るために奔走する。
「行動している風だけど、そこには中身がなかったとか。意外とそんな人っているんじゃないかなと思わされる役でした。でも、そんな人がちょっとしたきっかけで意識が変わって、世界が変わっていく。それによって、未来を作る生徒たちへの思いも変わるんだと思うと、共感してくださる方もいるんじゃないかと思いました」
今回の役柄と作品をこのように受け止めている石原。"意識の変化"について自身のことに話が及ぶと、「一時は外に出るのも億劫になるくらい、ストレスを感じていたこともありました。テレビ以外にも至る所に自分がいて。メディアは世間に溢れているから、なぜかそれをストレスに感じていた時があったんですよね」と"女優・石原さとみ"とは違った一面を明かしてくれた。
しかし、ある人物がかけた言葉が彼女を救う。「『どう見られたいか』じゃなくて『どうありたいか』が大事」。ちょうどその頃、1カ月ほどのオフがあり、「自分自身の在り方を考えるようになったら、本当に楽に考えられるようになってきました」と見つめなおすきっかけになったという。「『なるようになる』『楽しければいい』って思えるようになりました(笑)」そう語る表情は、いつもメディアを通して親しまれている笑顔そのものだった。
■石原さとみ
1986年12月24日生まれ。東京都出身。第27回ホリプロスカウトキャラバンでグランプリを受賞。東陽一監督作『わたしのグランパ』でデビューし、数々の新人賞に輝いた。今年はドラマ『失恋ショコラティエ』での小悪魔キャラが話題に。映画出演作は、『北の零年』(2005年)、『インシテミル7日間のデス・ゲーム』(2010年)など多数。今年は本作のほか、『MONSTERZ モンスターズ』に出演。