「こんな素敵な景色を見られて、本当に諦めなくて、よかったと思います!」(田所)

『ミリオンライブ!』のイベントやライブを語る上で欠かせないのが、同作発のラジオ『ミリオンラジオ!』パーソナリティである山崎はるか、麻倉もも、田所あずさのトリオだ。3人は毎週のラジオ放送はもちろん、毎月行われたLTP発売イベントでもほとんどに出演して作品を支えてきた。今回のライブでも『ミリオンラジオ』テーマソング「U・N・M・E・I ライブ」を初披露するために練習を重ねてきた。ところが今回のライブの直前、体調(喉)の不調により、最上静香役の田所あずさがライブに両日参加できないことが発表された。

ラジオを休んだり、他のイベントでも声を出さずにフリップでトークするなど、可能な限り喉を休めて参加の可能性を探っていた田所。誰よりも歌うことが好きで、こだわりを持つ彼女だけに、ミリオン初のライブに欠席が決まった彼女のつらさは察するに余りある。オープニングナレーションを担当した音無小鳥(CV:滝田樹里)の「出演者は田所さんの分まで頑張りますので、田所さんのところまで届くぐらいの歓声でライブを盛り上げてください」との声は出演者の総意でもあったに違いない。山崎はソロの「素敵なキセキ」を歌う前、「みんなー! 今日は、静香ちゃんの分まで頑張るよー!」と未来としての言葉に、自身の想いも込めているように見えた。

ところが初日終了後、ギリギリまで参加の可能性を探っていた田所が、二日目の後半の一部限定で参加できることが発表された。二日目、前日と同じ構成であれば最後のソロ曲でもおかしくない雨宮天の「ライアー・ルージュ」ステージが終わった後、他の曲間に比べると非常に長い間があった。高まる期待の空気感と共に、会場を徐々に満たしていく最上静香の"青"のサイリウム。流れてきたイントロはもちろん、田所のソロ曲である「Precious Grain」! 見る側の心配を吹き飛ばすような、曇りのない歌唱。ベストの状態ではなかったかもしれないが、彼女の全身からあふれる歌える喜びと、このステージに賭ける覚悟は、今までの彼女のどんなステージよりも強い光を放っていた、ステージ後の怒号のような大歓声は、間違いなくこの日一番大きく、暖かかった。その後の「Welcome!!」の歌唱で、山崎と田所が一瞬視線を合わせて小さく微笑んだのも忘れられない光景だ。

ラストの挨拶では、藤井の涙混じりの「みんなそろって、よかったね」の言葉をきっかけに、涙が連鎖。タイトなスケジュールの中、演出の一部を受け持つために二日目急遽出演した伊藤は「少しでもみんなの役に立てたらいいな、ころあずのために少しでも役に立てたらいいなって思ってました」と言葉を詰まらせた。

マイクを持った田所は、「えっと、最上静香役の田所あずさです。このステージに立てることがすごく、本当に嬉しいです。ずっと喉の調子が悪くて、それでも出演することをギリギリまで検討してくれたスタッフさん、急に出演させて頂けることになって、たくさん変更があって、たくさん迷惑をかけたのに「おかえり」って笑顔で迎え入れてくれたメンバーの皆さん、そして、あたたかく声援を送ってくれた皆さん。本当にありがとうございました。今回出られないことになって、でもどうしても諦められなくて……こんな素敵な景色を見られて、本当に諦めなくて、よかったと思います。ミリオンのみんなと少しだけでもファーストライブを迎えられたことが、最高に幸せです。これからもミリオンのみんなと、ずっとずっと頑張って行きたいので、応援よろしくお願いします!」と、何度も声を詰まらせながら、最後は力強く言い切っていた。

いつもふんわりした、明るく独特の空気の麻倉が「いろいろあったですし、みんなで揃うのはだめかなって思ったんです」と少し言葉を詰まらせると、山崎が優しく抱きしめに行く場面も。最後は「みんなで舞台に一緒に立てて、ほんっ…とーに良かったです! プロデューサーの皆さん、スタッフの皆さん、そして、みんなー、ありがとー!」と会場を幸せな空気にしていた。そんな麻倉を優しくフォローしていた山崎だったが、彼女はMCの最後として、涙で詰まりがちだった空気を締める立場。誰よりも泣きたい気持ちをこらえながら、「ブロデューサーさんたち、私たちの言葉を聞いて、絆を感じてくれたと思います。私たちの今までの歌を聴いて、たっぷりと私たちの想いも届いたと思います。ここまでに色々あったけど、まず、『アイドルマスター』というものを先輩たちやスタッフさん、プロデューサーが作ってくれたおかげで、ミリオンスターズとしてここでファーストライブができました。ほんとにほんとに、皆さんと、スタッフさんと、仲間と先輩と、関係者の皆さんも含めて、みーんなに感謝しています。ほんとにほんとに、ありがとうございました!!」と、笑顔で締めくくっていた。

アンコールは「THE IDOLM@STER」と「Thank You!」を全員で歌い、山崎が音頭を取っての「アイマスですよ、アイマス!」の掛け声で幕となった。出演者たちが全員が揃ったことに対する喜びと、"次"のライブはさらに最高なものにという、ステージの続きに対するモチベーションの高さを強く感じさせる姿が印象的なステージだった。