日本の人口は5年連続で減少しているが、東京の人口は増え続けている。総務省が発表した人口動態調査によると、2014年1月1日時点の日本の総人口は、前年比24万3,684人減少したが東京都は6万7,539人増加した。人口の都市集中が一段と進んでいることがわかった。

都道府県別で、人口が一番増加したのは東京都で、次が愛知県の1万1,738人増、神奈川県の1万1,415人増と続く。一方、減少のトップは、北海道の2万9,639人減で、ついで新潟県の1万6,420人減、静岡県の1万5,504人減と続く。

仕事を求めて地方から東京へ出てくる若者が多いだけでなく、年を取ってからも生活が便利で医療が充実した都市部へ移り住む例が増えている。「定年退職したら田舎に移って悠々自適」と夢を語っていた人たちも、実際に高齢になると、医療や生活インフラの充実した都心部に住むことを選択することが増えている。

かつてUターン(地方から東京へ出てきた若者が、再び出身地へ戻ること)、Iターン(東京の若者が、地方への移住を選択すること)が注目されたこともあったが、それも減りつつある。

人口の移動は、東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の内部でも起こっている。郊外の一戸建てを売却して、利便性の高い都市部の高級マンションに、移り住む人も増えている。郊外に拡大していた人口が、より都市中央部に集まってくる「コンパクトシティ」化が進んでいる。地方でも、同じように人口の少ない地域から人口の多い県庁所在地に移る人が増えている。

この流れは、止めようがないのか。私は、手の打ちようはあると思う。その鍵を握るのが、「経済特区」だ。都心部では決してできない「規制緩和」を行い、魅力を取り戻すことを検討すべきだ。「医療特区」「観光特区」「農業特区」などで、成功事例がたくさん出てくることが望まれる。

執筆者プロフィール : 窪田 真之

楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト。日本証券アナリスト協会検定会員。米国CFA協会認定アナリスト。著書『超入門! 株式投資力トレーニング』(日本経済新聞出版社)など。1984年、慶應義塾大学経済学部卒業。日本株ファンドマネージャー歴25年。運用するファンドは、ベンチマークである東証株価指数を大幅に上回る運用実績を残し、敏腕ファンドマネージャーとして多くのメディア出演をこなしてきた。2014年2月から現職。長年のファンドマネージャーとしての実績を活かした企業分析やマーケット動向について、「3分でわかる! 今日の投資戦略」を毎営業日配信中。