肌を焼かないための賢い日焼け止めの使い方って?

今年も夏が近づいてきた。真夏の強烈な紫外線は、われわれの肌を黒く焼くばかりか、しわやたるみの原因まで作ってしまう。特に女性にとっては死活問題だろう。そうならないためには、日焼け止め商材を賢く使う必要がある。

それでは効果的に日焼けを防いでくれる商材とは、一体どういうものなのだろうか。「化粧品のプロ」である資生堂 化粧品開発センター サンケア製品開発グループ・原田太一さんに聞いてみた。

―日焼け止め(UVケア)商材を選ぶ際のポイントを教えてください

「最も大切なのは、目的にあったものをお選びいただくことです。ガードしたい紫外線が、散歩や買い物などの『日常生活』に由来するものなのか、『屋外での軽いスポーツやレジャー等の活動』に由来するのか。それとも、『炎天下でのレジャー、リゾート地でのマリンスポーツ』なのかということで変わってきます」。

―日焼け止め商材を使う方の体質によっても、どれを選ぶべきか違ってきますよね

「そうですね。『紫外線に特別に敏感な方』なのかどうかなどで、お求めいただく商品は変わってきます。高汚染過敏症など疾病を伴い、紫外線に特に敏感な方は医師の指示に従って購入してください」。

―紫外線には、屋内にいても防ぐのが難しく、しわやたるみの原因となる「UV-A」と、屋外での日焼けの原因となる「UV-B」の2種類ありますよね。その2つを効果的に防ぐための指標となるものはあるのでしょうか

「それは『SPF』と『PA』です。SPFとは、UV-Bを防ぐ効果を表す数値で、日本語では『日焼け防止指数』と言います。この数値が高いほど、肌が赤く炎症を起こすことを防ぐ効果が高いと言えます。PAはUV-Aを防ぐ効果を表す目安で、『+』から『++++』までの4段階で示されます。+の数が多いほど、肌が黒くなったり、肌弾力を失わせたりすることを防ぐことができます」。

―使う際に気をつけることはありますか。

「海でのレジャーやゴルフのような場合は、SPFやPAが高いものをおすすめします。外出しない場合でも、UV-Aは窓などを透過しますので、いわゆる『うっかり日焼け』をすることもあります。その場合には日焼け止め効果のある化粧下地や乳液のご使用などをおすすめします」。

PAは「++++」(フォープラス)、SPFは「50+」がそれぞれ国内の最高レベルとなっている。この2項目の各レベルを参考にして、TPOで複数種類の日焼け止め商材を使い分けてみてはいかがだろうか。

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記事監修 / 資生堂 化粧品開発センター サンケア製品開発グループ:原田太一

2008年に資生堂入社。以来一貫してUVケア商品の開発に携わり、人々の肌を守る商品を生み出すため、日夜努める。