ライオンのオーラルケアマイスター・平野正徳さん

「芸能人は歯が命」というフレーズが流行(はや)ったのは、もう20年以上も前。時は流れ、いまでは「一般人も歯が命」とばかりに、歯をキレイにしようとする人が増えている。ただ、なぜ歯が汚れるのかは意外と知られていない。そこで、ライオンのオーラルケアマイスターである平野正徳さんに歯の汚れの原因をうかがった。

歯を構成する象牙質とエナメル質とは

歯の表面に付く汚れには、下記の3種類がある。

歯垢(プラーク)…細菌の塊で、むし歯や歯周病の原因になる。食べかすではない

歯石…プラークが唾液中のカルシウムなどで石灰化したもの

ステイン…コーヒーやタバコなどによる着色汚れ

「歯は内部にある象牙質(やや黄色)と、外側にあるエナメル質によって構成されています。エナメル質は半透明であるため、中にあるやや黄色がかった象牙質が透けています。人の歯が少し黄色味を帯びているのはこのためです。ここに歯の表面の着色汚れが加わり、自分の歯の色となるのです」。

コーヒー、紅茶に含まれるポリフェノールが歯の汚れに

一般的に「歯の表面の着色汚れ」のことをステインという。歯石は自分では除去できないので、歯科医院に行って取ってもらう必要があるが、歯垢(プラーク)とステインは毎日のセルフケアで付着を防ぐことができる。では、ステインが付着する原因とは何だろうか。

「ステインは、飲食物の色素やタバコのヤニ等が歯の表面に固着した状態です。歯の表面はペリクルという薄い膜で覆われており、ここに緑茶やコーヒーなどのポリフェノール、タバコのヤニなどが付着し着色します(着色ペリクル)。この層が積み重なっていくことで色が濃いステインになっていくのです」。

歯の汚れには3種類あり、歯石は歯科医院に行って取ってもらう必要がある一方で、歯垢(プラーク)とステインは毎日のケアで付着を防ぐことができる。効果的なステインのケア方法について次回以降で紹介する。

文・船山壮太(verb)

取材協力 / ライオン オーラルケアマイスター: 平野正徳

人々の快適な暮らしをサポートするライオン快適生活研究所にて、オーラルケアの情報を発信中