キリンは5月25日、キリングループが「サッカー日本代表オフィシャルパートナー」として、日本サッカー協会と2015年4月から8年間契約を更新することを発表した。現在締結中の日本代表オフィシャルスポンサー契約をより踏み込んだ形で更新する。

協定書を手に笑顔を見せる、日本サッカー協会の大仁邦彌会長(左)とキリンの磯崎功典社長

37年にわたるキリンのサッカー支援

キリンとサッカーの最初の関わりは1978年開催の「ジャパンカップ」協賛に始まる。当時、キリンビール原宿本社と日本サッカー協会が、山手線をはさんだ向かい側という"ご近所さん"の関係であったという縁もあり、「日本サッカーを強くしたい」というサッカー協会の意思にキリンが賛同して支援がスタートした。

しかし、当時はまだ日本サッカーの黎明(れいめい)期。支援開始の1年前に入社したというキリンの磯崎功典代表取締役社長は記者会見の場で、「当時は営業をしていて、スタジアムでビールを売っていた。でも、お客さんはあまりいなくて……。現在のような人気は感慨深い」と、長年の支援に思いをはせた。そんな現在のような人気が集められない中でも、「ジャパンカップ・キリンワールドサッカー」「キリンカップサッカー」と、キリンは日本代表の強化支援を続け、1995年には日本代表オフィシャルスポンサーとなっている。

支援開始当時を振り返る磯崎社長

サッカーで「日本を元気にする! 」取り組み

そして、支援開始からちょうど20年目の1998年、日本代表がワールドカップへの初出場を果たす。この頃からは「キリンラガー 初出場記念缶」など、日本代表の応援商品やキャンペーン、応援拠点の開設など、ファン・サポーターとともに日本代表を応援する取り組みを積極的に行うようになった。「U-23」「U-20」「U-17」 の各年代での代表のほか、日本女子代表の「なでしこジャパン」やフットサル、ビーチサッカーなどのスポンサーも務めるようになり、サッカーのフルカテゴリーを支援。次世代の育成にも尽力し、応援と支援の両方で日本に活力を送ってきた。

さまざまな形で社会貢献に取り組むキリングループ

また、2011年の東日本大震災後からは「東北の子どもたちの笑顔をつくりたい」と、小学校の授業で元日本代表選手によるサッカー教室「JFA・キリン スマイルフィールド」を開催している。2013年12月末までにのべ521校、7万8,787名が参加、たくさんの子どもたちに笑顔を運んだ。そのほかにも、元日本代表の小倉隆史さんや、元なでしこジャパンの四方菜穂さんがコーチを務めるサッカー教室「キリンサッカーフィールド」なども開催。こころと体の健康や夢をはぐくむ活動を行うことで、「日本を元気にする! 」取り組みを続けている。

後方支援ではなく、一緒に応援するパートナーに

今回の契約更新で、キリングループは「スポンサー」から「パートナー」へと変わった。日本サッカー協会の大仁邦彌会長は「これまでの支援からの強い信頼関係を表すため、パートナーへと表現を変え、力を貸していただくことになりました」と、より強固な信頼関係を表せる名称にしたと語った。そして、「キリングループの社会貢献活動に、サッカーがお手伝いできることを心よりありがたく思っております」と、長年の支援と協力に感謝を述べた。

「強い信頼関係を今後も」と語る大仁会長

磯崎社長は「キリンは飲料を提供するだけの企業ではなく、多くの人々に喜びと感動を提供する企業でありたい」と、キリングループの理念を伝え、「(相撲の)タニマチのように後方から支援する企業ではなく、ファンやサポーターの皆さんと一緒になって応援する企業に変わる。新たな思いで、日本サッカー協会とともに取り組んでいきたい」とこれからの活動に意気込みを見せた。

大仁会長(左)から記念ペナントを受け取る磯崎社長

またキリングループはこのほど、新たなスローガンとして「新しい日本を見せよう」を掲げ、今後の活動を展開するという。この言葉には、これまでの「サッカーで日本を元気に! 」という願いや「新しい日本のサッカーを見せよう」という意図だけでなく、新しい日本の「底力」、日本の「気持ち」を見せたいという、思いも込められているという。

5月27日発売の「一番搾り 日本代表応援スペシャルセット」

さらに現在、キリンビールでは、6月より始まる「2014 FIFAワールドカップ」のサッカー日本代表応援プロモーションを展開中。5月27日からはその第3弾がスタートし、「サッカー日本代表缶」の新デザインと「一番搾り 日本代表応援スペシャルセット」を同時発売する。パッケージの表と裏に、躍動感あふれる選手の姿があしらわれ、観戦気分がより盛り上がるデザインとなっている。サッカー観戦に欠かせないビールを、サムライブルーの応援ユニフォームと一緒にぜひ楽しみたい。