博報堂の「博報堂ブランドデザイン」と「テーマビジネス開発局」はこのほど、全国に住む20歳~69歳の男女4,700人(各都道府県100人)を対象に都道府県の「"属"ブランド力調査」の結果を公表した。調査時期は1月。

"属"ブランド力の内部評価と外部評価(散布図)

同調査では、「自分の都道府県には、自分の都道府県を愛している人が多いと思うか」などといった5つの視点からの質問を実施。それぞれに「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人の割合の平均値により、各都道府県における"属(ブランドのもとに集まる仲間、ブランドを応援するサポーターやコミュニティー)"のポテンシャルを明らかにしている。

さらに、各都道府県に対し、県内に住む人(以降、内部)と県外に住む人(以降、外部)の評価もそれぞれ集計。今回は、内部評価と外部評価の差がある中でも、都道府県ごとの特徴がうかがえる沖縄県、福岡県、奈良県の結果を紹介する。

まず、沖縄県は外部・内部ともに高い評価を得ている。評価理由を見ると、内部からは人情に厚い人が多いことや郷土愛が非常に強い点が属の評価につながっていた。一方、外部からは観光地として県外のファンが多い点に加え、歴史的な背景や立地から住民の郷土愛・独自の文化が育まれたという理由が高い評価につながったようだ。

福岡県は外部よりも内部から高く評価されていた。評価理由を見ると、外部からは食べ物や大都市であるという点が評価につながっている。内部からは、外部から評価されていた食べ物や大都市であるという点のほか、大都市でありながらも自然が感じられる点や交通の便がよいこと、物価が安いことなどが高評価となっていた。

奈良県は、内部よりも外部から高く評価されていた。評価理由は、外部・内部評価ともに観光地としての"奈良県"を評価していることが考えられ、県外のファンが多いという声が多かった。一方、内部からは、「住民は大阪や京都への憧れを持っていることは否めない」など、どこか否定的なニュアンスが含まれている声もあり、あまり評価されない結果となった。