小田急電鉄は2010年に策定した向ヶ丘遊園の跡地(神奈川県川崎市)利用に関する基本計画を見直すと発表した。同計画は、跡地への住宅建設を中心としたものだった。
向ヶ丘遊園は1927(昭和2)年、小田急線開通と同時に開園した庭園。1958(昭和33)年にはばら園が開設され、1987年には「蘭・世界大博覧会」が開催されるなど、多摩丘陵の緑豊かな自然を生かした「花と緑の遊園地」として親しまれた。2002(平成14)年に閉園し、生田緑地ばら苑や川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムを除き、跡地の大部分が遊休地となっている。敷地面積は約21万8,000平方メートル。
同社は2004年11月、「多摩丘陵の緑豊かな自然を次世代に残すため、川崎市と小田急電鉄が一致協力して向ヶ丘遊園跡地の活用を推進する」「跡地の活用が良好なまちづくりに寄与するよう、川崎市と小田急電鉄は相互に協力し継続的に協議する」という内容の基本合意を川崎市と締結した。
2010年に策定した基本計画はこれに沿ったもので、「別荘地を思わせる緑と静寂に包まれた街」をテーマにした庭園住宅(戸建60戸、低層集合住宅160戸)の建設と多目的施設・庭園の整備などを行うとしていた。今回の発表によると、計画見直しは、「昨今の事業環境を勘案した結果」(小田急電鉄)とのこと。今後は、2004年に川崎市と締結した基本合意を踏まえ、再度川崎市と協議しながら新たな利用計画を策定するとしている。
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