同期・上司部下の人間関係に捧げる言葉

子曰、我三人行、必有我師焉、択其善者 而従之、其不善者而改之(しいわく、さんにんおこなえば、かならずわがしあり、そのよきものをえらびて、これにしたがい、そのよかざるものにしてこれをあらたむこの)

(口語訳)
3人集まれば、自分のお手本になる人間が必ずいるよ。だから、自分に足りない才能をもっている人は手本になるし、嫌いな人間がいたとしても、その人の真似をしなければ、うまくいくという手本になるんだよ!

同期にライバル意識を持つのは大切ですが、自分一人の才能だけでなんとか解決しようと思うのは、限界があるし、効率も悪いことがあります。同じチームにすごい奴がいれば、頼ることで思い付かないような提案が生まれるかもしれません。逆に、ダメな上司がいたとしても、避けるのではなく、反面教師として自分の糧にしてしまえばよいのです。

自分の仕事が報われないと嘆く全てのサラリーマンに捧ぐ言葉

子曰、不患人之不己知、患不知人也
しいわく、ひとのおのれをしらざるをうれえず、ひとをしらざるをうれうるなりこの↑読みってわかりますか?

(口語訳)
世間が認めてくれないと嘆く人がいるが、それは自分の周りにいる人の才能や長所に自分が気付いていないことに嘆くことを先にするべきだよ。

どんな仕事でも、自分のやったことで誰かから褒められたり、感謝されたりしたいと思うのが当たり前。ただ、社会はそれほど甘くはありません。仕事は辛いことや面倒なことが大半です。「こんなに頑張っているのに、なんで認められないんだよ!」と居酒屋で愚痴を吐く前に、例えば、「出世していったスマートで鼻につく同僚のあいつ、そういば俺よりも朝早く出社して、資料作りを丁寧にしていたし、面倒な接待も嫌な顔をせずに頑張っていたっけ・・」と周りにいる人の良いところを見つけてみることで、自分に足りない努力や考えに気付けるのかもしれません。

以上、論語から学ぶビジネスの教訓をいくつかご紹介しました。

論語に記されている孔子の数々の名言は、自身の波乱の壮絶な人生から生まれてきた真実の言葉です。そんな「論語」を生んだ儒家の始祖である、孔子の人生を全38話の壮大なスケールでドラマ化した中国歴史ドラマ「孔子」が、WOWOWにて4月19日から放送予定!(第1話無料放送) 聖人としてではなく、“人間”としての孔子の知られざる姿が描かれます。詳細はこちらをご覧いただきたいのですが、この作品からもサラリーマンに通ずる教訓を学んでみてはいかがでしょう。

(文:都恋堂)