ミュージカル映画『メリー・ポピンズ』の誕生秘話を描いた『ウォルト・ディズニーの約束』(3月21日公開)で、ウォルト・ディズニーを演じた俳優のトム・ハンクスがいかにしてウォルトの人物像を再現したかについて語られた特別映像がこのほど、公開された。

ウォルト・ディズニーを演じたトム・ハンクス

本作は、初めてディズニーによる映画制作の裏側を描いた作品で、ウォルト・ディズニー本人を描いたフィクション映画が作られるのも初めてのこと。本作で明かされる『メリー・ポピンズ』の映画化において、映画化を目指すウォルト・ディズニーの障壁となったのが、原作者P.L.トラヴァース。彼女はウォルトたち映画製作者が提案する脚本アイデアをことごとく否定し、映画化を拒む。彼女が頑なに作品を守ろうとする背景に、幼いころの彼女と父親の関係があると知ったウォルトは、映画化実現への最後のチャンスをかけてトラヴァースに"ある約束"をする。

今回公開された特別映像では、ウォルト・ディズニーを演じたトム・ハンクスに注目。見た目も声もウォルトにまったく似ていないと公言するトム・ハンクスは、ウォルトの眼の中にある奇抜な雰囲気を出すこと、そしてそれにともなう鋭い眼識を出すことにこだわって、ウォルトを演じたという。

トムはまた「彼の喋りには独特な抑揚があって、それは、彼の頭の中にある熱意から生まれているのではないかと思うんだ。彼の頭の中はいつも素晴らしいアイデアであふれていて、そういうアイデアでみんなをワクワクさせたくてしょうがなかった」と分析し、「僕はそれを目指したんだ」とコメント。

さらに「彼は映画製作プロセスを知っているからこそ、創作過程を重視してこの大企業を作り上げ、後になってからビジネスの部分に取り組んでいる」とビジネスマンとしてのウォルトについても語り、「だからこそ、みんな自分がきちんと評価されていると感じられるし、この会社にどれだけ長くいるかによって自分の価値レベルを計ることもできたんじゃないかな」との考えを示した。