東京メトロはこのほど、非常用地上バッテリー装置の電力のみを用いた列車の走行実験に成功したと発表した。
同装置は、地震などで停電が発生した際、駅間や長大橋梁に停止した列車が最寄り駅まで自走するためのもの。駅や駅間などにバッテリーを設置し、停電時には通常電力の代わりにバッテリーから電車に電力を供給する。通常時は列車の走行によって生じる回生電力を吸収して電力を蓄え、加速列車に送ることで省電力化にも貢献するという。東京メトロは日立製作所と共同で同装置の研究を進めている。
実験は1月26日に実施。非常用地上バッテリー装置に蓄えた電力のみで東西線西葛西~南砂町間(2.7km)を自力走行した。同装置はリチウムイオン電池を使用しており、リチウムイオン電池を使用した非常用地上バッテリー装置のみによる列車の自走は国内初という。
東京メトロは昨年、列車に搭載する方式の「非常用車上バッテリー」の走行実験も実施しており、今回の「非常用地上バッテリー」とともに実用化の可能性について検討を進める。