北欧のオフィス例

インテリアや雑貨などで人気の「北欧」。デザインの違いは随所に表れ、日本でも注目を集めているが、働き方にも多くの違いがあるという。今回は、中でも「IKEA」「H&M」や「ノーベル賞」を生み出したスウェーデンでの働き方について、いったいどのような部分が日本と違うのか、そして見習える部分はどのようなところか、オフィスデザインを手掛けるスカンジナビア モダンのマネージング ディレクター 岡部さんに話を伺った。

オフィスをつくるときはカフェスペースを重要視!

岡部さん:

スウェーデンで新しくオフィスを設置するときは、必ずデザイナーを入れます。やはり、デザインを大事にするんですね。また、カフェの充実が大きなポイントになっていて、オフィスの3分の1がカフェスペースという会社もあります(笑)。単純に休むためのスペースというわけではなく、社員が集える場として重視しているんです。

日本のように社長が奥の社長室にこもるということはありません。オフィスの真ん中にオープンにスペースをとる会社もあるほどで、そうするとみんなの声が聞こえるし決定も早いんですね。社長自体が若く、「みんなと一緒にいたいから」という人もいます。IT化などでオフィスのオープン化が進み、その分集中したいときのサイレントルームができたり、犬がいたり、子供を連れてきても良かったり、柔軟性のあるオフィスになっています。

昼間のTV番組がほとんどない理由は?

スウェーデンには専業主婦があんまりいません。つまり、女性もずっと働き続けているんですね。だから、昼間の番組がほとんどないんです。今はケーブルTVで見ることができますが、国営放送のみだとTVをつけても放映されていないという状態でした。

またよく知られている通り、高い税金による福祉制度の充実があり、医療や教育については無料で受けられます。私の知人でも、35歳で再度大学に入り、外科医になってしまった人がいます。学ぼうとしている人にちゃんと税金が使われるというのは良いことですね。 困ることといえば、「演歌の心」が通じないことでしょうか(笑)。情にうったえて仕事をするのではなく、きちんと契約に基づいて仕事をすることが重要です。あとは夫婦別姓が多く、「○○さんの奥さん」と呼ぶこともないので、相手が夫婦であっても別々に名前を覚えなければいけないのが大変ですね。でも、それだけ女性の働き方も認められているということですから。

日本も見習うべき部分、難しい部分はそれぞれあると思いますが、特に生産性のあるオフィスデザインは現在注目を受けていますし、浸透していくと良いと思いますね。