博報堂生活総合研究所はこのほど、2014年1月の「生活インデックスレポート 消費動向編」を発表した。

生活インデックスとは、生活者の意識変化を読み解くために、「消費動向」「生活感情」「生活価値観」の3つのカテゴリーに焦点を当て、カテゴリーごとに質問項目を設定し、生活者に指数(100点満点評価)として回答してもらうもの。今回は、「消費動向」(消費意欲・デフレ生活志向)に関する分析結果についてまとめた。

それによると、1月の消費意欲指数(モノを買いたい、サービスを利用したいという欲求)は50.8点となり、前月比で4.7ポイント減と大きく低下。前年同月比でも4.6ポイント減と大幅に減少した。

デフレ生活指数(安くモノを買いたい、安くサービスを利用したいという欲求)は63.2点で、前月の63.0点とほぼ同水準となったが、前年同月比では3.7ポイント減少した。

年末年始の消費意欲指数の推移を見ると、2013年1月は55.4点で、2012年12月の55.6点からほぼ横ばいで推移していた。一方、2014年1月の指数は2013年12月に比べて大幅に低下。指数の推移が変化した背景には、「生活者が消費税増税を見越して動くことで、消費意欲の増減が激しくなっていることがある」と分析している。

2013年12月は増税前最後のボーナスを原資に、耐久消費財など高額商品の購買意欲が上昇。その結果、消費意欲指数は2013年最高値を記録し、上昇幅は過去最高を更新した。年明けの1月はその反動が大きく、全性年代で消費意欲指数が低下。消費意欲指数の理由を見ても、「12月に家電製品などを買い換えたばかり」「年末に大きな買い物をしそう」といった理由で、1月は消費を抑えたいとする答えが目立ったという。

また、1月は新春セールや福袋の季節だが、消費意欲指数の理由において、セールに関するコメントは昨年に比べてやや少なくなっており、「買いたいモノ・サービスがある」人の割合も、2013年1月の35.4%から2014年1月は28.7%と大きく低下している。

さらに消費の牽引層であり、前年同時期は消費意欲指数が前月比4.8ポイント増(65.8点)と大きく伸びた女性20代も、今年は前月比で1.0ポイント減少(59.1点)している。女性20代の消費意欲指数の理由を見ると、「新年なのでぱーっと使いたいが、今後のことを考えると少し抑えたい」などのコメントが見られ、消費意欲の低下は、年始のセールにも影響を及ぼしそうだと推測している。

調査期間は2013年12月5日~16日、調査方法はインターネット。調査対象は首都圏、名古屋圏、阪神圏に居住する20~69歳の男女で、有効回答数は1,500人。