「ブックリスタ年間ランキング2013」1位『ロスジェネの逆襲』(池井戸潤・著)

電子書籍共通配信プラットフォームを提供するブックリスタは、自社がプラットフォーム提供する2つの電子書籍ストア「Reader Store」「ブックパス」にて、2013年にもっとも売れた電子書籍の「ブックリスタ年間ランキング2013」を発表した。

2013年は、単行本と電子書籍が同時発売されることも増え、電子書籍で発表される作品からヒットが生まれるという傾向が見え始めた。今回の年間ランキングで総合1位を獲得したのは、歴史的大ヒットとなったTVドラマ『半沢直樹』の続編にあたるシリーズ3作目『ロスジェネの逆襲』(池井戸潤・著)。本作は、ドラマ最終回(原作では2作目の『オレたち花のバブル組』)で衝撃の出向となった半沢直樹のその後を描いた物語。新興IT企業のM&Aによる知力を尽くした買収と防衛に、親会社銀行vs.証券子会社という図式が絡まり、シリーズ最高傑作の呼び声が高い一作。8月に配信が開始されて以来、常に上位にランクインし続け、年間ランキング総合1位となった。

2位は、2013年4月に新垣結衣主演でTVドラマ化された『空飛ぶ広報室』(有川浩・著)。飛べなくなった元パイロットと、報道から外されてしまったテレビ局の元記者が、互いに成長していく姿を描いた有川浩渾身のお仕事小説。3位は、2013年11月に劇場映画が公開されたばかりの『清須会議』(三谷幸喜・著)。日本史上初めて"会議"によって歴史が動いたとされる「清須会議」を舞台に、織田家重臣たちが策略を巡らせる様子を「現代語訳」のモノローグで綴った物語となる。

以下、4位『オレたちバブル入行組』(池井戸潤・著)、5位『オレたち花のバブル組』(池井戸潤・著)と半沢直樹シリーズが続き、6位~10位はすべて『進撃の巨人』(諫山創・著)。総合ランキングは、10位までの作品すべてが2013年に映画・ドラマ・アニメ化された原作、もしくはその続編という結果になった。

また、電子書籍で楽しめる作品のジャンルが拡がったことで、今年のランキングは「雑誌部門」と「デジタルファースト部門」が新設された。「雑誌部門」では、12月号に村上春樹の新作短編が掲載されて話題になった『文藝春秋』が、「デジタルファースト部門」では、好評につき第二部の配信が決定している『旅者の歌 第一部』がそれぞれ第1位を獲得している。

さて次のページでは、今回の「ブックリスタ年間ランキング2013」の中で、マイナビニュース的オススメの作品を挙げていきたい。……続きを読む

(C)池井戸潤/ダイヤモンド社