2013年のアニメ業界を驚かせたトップニュースといえば、やはりスタジオジブリ・宮崎駿監督の引退宣言だろう。宮崎作品が見られなくなるのは寂しいことだが、公開からわずか2カ月で興行収入19億円を突破した『まどマギ』のように、新たな人気作が続々と生まれている。そこで今回はマイナビニュース会員の女性500名(合計男女1,000名)に「2013年公開のアニメ・特撮映画で面白かった作品」を聞いてみた。

Q.2013年公開のアニメ・特撮映画でもっとも面白かった作品は?(複数回答)

1位:『風立ちぬ』(39.9%)
2位:『モンスターズ・ユニバーシティ』(10.0%)
3位:『かぐや姫の物語』(9.0%)
4位:『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』(8.1%)
5位:『劇場版 名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』(7.6%)
6位:『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』(4.9%)
7位:『映画 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』(4.5%)
8位:『攻殻機動隊ARISE』(4.3%)
9位:『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(4.0%)
10位:『聖☆おにいさん』(3.6%)
次点:『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』(3.0%)

1位は、4割もの女性に支持された『風立ちぬ』。宮崎駿監督の引退発表も人気に拍車をかけたようだが、切ないラブストーリーが女性の共感を得たようだ。「大人の雰囲気があり、あらためてアニメの良さを感じた」(27歳/金融・証券/営業職)と、大人の恋愛に涙した人が多数。その反面、戦争を正面から扱ったリアルなストーリーに対して「宮崎作品らしくない」、「男のロマンの押し付け」などと感じた人もいたが、「宮崎映画の進化系を見た思いがした」(31歳/電力・ガス・石油/事務系専門職)という意見も。

2位は『モンスターズ・インク』シリーズの第2弾、『モンスターズ・ユニバーシティ』。前作を見たファンからは「子ども時代のマイクがかわいかった!」(25歳/商社・卸/事務系専門職)と好評だった。「色づかいがとてもきれい」(24歳/機械・精密機器/事務系専門職)と、技術的な評価をする声が多かったのも、さすがのディズニー/ピクサー作品ならでは。3位は1位と同じくジブリ作品の『かぐや姫の物語』。画期的な映像表現で話題となった高畑勲監督の14年ぶりの最新作には、「水彩画のような映像が本当にきれいで感動した」(25歳/食品・飲料/技術職)という意見が多く寄せられた。

4位以下の注目作品は、男性編では圏外だった『劇場版 名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』。男性編ではルパン三世が登場する『映画 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』に人気が集中したが、女性は海上自衛隊のイージス艦というリアルな設定の舞台に興味を持ったようだ。同じく男性編では圏外だった『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』、『聖☆おにいさん』はどちらも男性向けマンガ原作にもかかわらず、女性人気が高い作品。一風変わった世界観に加えて、森山未來や星野源といった女性に人気のキャストを配したことも一因かもしれない。

総評

一般的な知名度の高い、話題の作品が上位を占めた女性編の中でも目立っているのが4位の『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』。1位の『風立ちぬ』に及ばないものの、深夜アニメの劇場版では史上最高の興行収入を記録したエポックメイキングな作品だった。ジャンプ作品の『銀魂』はまだしも、知る人ぞ知る男性マンガ誌『モーニング・ツー』に連載中の『聖☆おにいさん』がランクイン。また、次点に特撮ものがはいっていたりと女性編の方が幅広いジャンルに票が分散している。この結果だけ見るなら、女性がより幅広いジャンルに目を向けているとも言えるかもしれない。

2014年には女性に人気の『TIGER & BUNNY』、『宇宙兄弟』などに加えて、ジブリ最新作の『思い出のマーニー』の公開も予定されている。大好きな作品はもちろん、今まで見なかったタイプの作品にも挑戦して、さらに楽しみの幅を広げてみたいところ。

調査時期:2013年12月6日~12月13日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:男女1,000名
調査方法:インターネットログイン式アンケート