本田技研工業(ホンダ)は19日、東京・青山の本社にて、新型「ヴェゼル」発表会を行った。20日から販売開始され、ハイブリッド車・ガソリン車の両方に4WDが設定される。

新型「ヴェゼル」発表会がホンダ本社にて行われた

東京モーターショーにも出展された新型「ヴェゼル(VEZEL)」は、「SUVの力強さ、クーペの艶やかさ、ミニバンの使いやすさ、さらには燃費性能まで、ジャンルの枠を超えた多面的な価値を高次元で融合させたまったく新しいクルマ」(ホンダ)。そのネーミングは、クルマを意味する「Vehicle」と、「カットした宝石の小さな面」を表す「Bezel」をかけ合わせた造語であり、角度によって表情を変える宝石のように、「多面的な魅力と価値を持つクルマ」との思いが込められているという。

発表会にて登壇した伊東孝紳氏(本田技研工業代表取締役社長執行役員)は、「ヴェゼルはフィットに続く『グローバル コンパクト シリーズ』第2弾となる商品」と説明。同シリーズは2016年までに、全世界でシリーズ合計160万台の販売をめざす。「ヴェゼルはホンダの四輪販売を支える新たなグローバルカーとなります」と伊東氏は述べた。

発表会に出席した伊東孝紳氏

また、伊東氏は同車のハイブリッド車に関して、「1.5リットル直噴エンジンと高出力モーターを組み合わせた『スポーツ ハイブリッド i-DCD』を搭載することで、2リッター並みのパワフルで爽快な走りと、優れた燃費性能を両立させました」と説明。状況に応じて走行モードを使い分けることで、国内SUVでは最高となる27.0km/リットル(JC08モード)の低燃費を実現した。ガソリン車も1.5リットル直噴エンジンを搭載し、20.6km/リットル(JC08モード)の優れた燃費性能を達成している。

報道陣との質疑応答では、近年ますます過熱化する「燃費競争」について意見を求められる場面も。「燃費を良くすることは、技術屋にとって大事なテーマで、各社が技術を競うのは、我々にとってもやりがいのあること。ただ、クルマはやはり乗って楽しくなければいけない」と伊東氏はコメント。その上で新型「ヴェゼル」を、「必要なときはよりパワフルに。燃費に徹しようと思えば、いままでにない燃費レベルを達成できる。それが我々にとっての、このクラスにおけるいまのベストソリューションではないか」と評価した。

新型「ヴェゼル」の価格は、ハイブリッド車が219~268万円、ガソリン車が187~212万円。ボディカラーはハイブリッド専用の新色ミスティグリーン・パールとルーセブラック・メタリックを含む全8色を用意した。国内における販売計画台数は月間4.000台。

新型「ヴェゼル」発表会

新型「ヴェゼル」外観・内装イメージ