ソニー生命保険は7日、「親の介護と認知症に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は、10月23日から10月27日の5日間に、全国の40歳~69歳の男女を対象としてインターネットリサーチで実施し1000人から回答を得た。

親の介護についての意識差、「介護は自宅で」親は約7割、子は約5割

親の介護を考えるに際して、親自身の意見はもちろん、介護に関わる人の意見も十分に聞きながら、最適な介護の内容を考える必要があるが、親の「自分の介護はこうしてほしい」、子の「親の介護はこうしてあげたい」という意向について、親子で考えの相違は見られるのか。親の考えについては、親がどのような「介護」を希望しているのか知っているという質問に「介護に関する親の意向を知っている」と回答した人217人に、子の考えについては全回答者、1000人に聞いた。

親が要介護状態になったときにどこで介護を受けるかについては、本人や家族にとって重要なテーマのひとつだが、「住み慣れた自宅」と「安心できる高齢者施設」では、どちらが生活の場として望ましいと思われているか、「親の考え」と「子の考え」それぞれを聞いた。 親の考えとしては、「住み慣れた自宅」で生活したいと考えている割合は約7割(67.2%)となり、「安心できる高齢者施設」での生活を選ぶ割合(32.7%)を大きく上回った。 一方で子の考えとしては、親の生活の場として良いと考える割合は、「住み慣れた自宅」(53.2%)と「安心できる高齢者施設」(46.8%)が拮抗する結果となり、このテーマに関しては親子での意向の相違が見られたという。

自分の親の介護への備え、約6割は「準備できていない」

また、親の介護に対する金銭的な準備として、親の状況としては「自身の介護のための金銭的な準備ができている」と考える割合は7割半(76.5%)となったが、子の状況としては「自分は親の介護のための金銭的な準備ができている」と考える割合は4割(38.8%)にとどまり、残る約6割(61.2%)は金銭的な準備ができていないと考えていることがわかった。親の介護に必要なお金の準備をしたいと考えながらも、なかなか準備がおぼつかないという状況の人が多いことが伺えた。

その他の調査結果トピックス

  • 介護は「誰の身にも起こり得る普通のこと」と約7割が認識

  • 自分の親は”長生きすることが幸せだ”と実感していると思う、60代の6割半

  • 60代では親の介護経験は半数近く、現在介護中は4人に1人

  • 「介護」のテーマは親と話しづらい?フランクに話しているのは介護未経験の人の約3割

  • 介護未経験の人の7割は、親がどのような介護を希望しているかを知らない

  • 「子どもに自分の介護に関わってほしい」親の7割半、「親の介護に関わりたい」子の約6割

  • もし将来自分が要介護状態になったら、6割半が「子どもには介護に関わってほしくない」

  • 親に強く感謝しているのは「教育費の支援」約6割

  • 親への感謝、「父の日や母の日のお祝い」で表している約5割、「長寿のお祝い」約2割

  • 介護についての知識、「必要なお金」「介護保険の仕組」を知っているのは約2割にとどまる

  • 親の介護について誰に相談?「配偶者」6割、「信頼できる第三者」は4人に1人

  • 認知症は、加齢による物忘れではない「知っていた」約8割

  • 認知症は生活管理が予防に繋がるとの認識も浸透

  • 認知症は発症しても症状が改善することがある、3割半が「知らなかった」

  • 認知症予防で活用したいものの男性人気は「麻雀や囲碁」、女性人気は「脳トレアプリ」

  • オンラインゲームを認知症予防に活用したい 約4割