アウディ ジャパンはこのほど、プレミアムスポーツシリーズ"RSモデル"の新型「RS 6 Avant」「RS 5 Cabriolet」を販売開始した。都内で行われた発表会では、来年1月に導入予定の「RS 7 Sportback」もあわせて紹介された。

新型「RS 6 Avant」。発表会にはアウディ ジャパン代表取締役社長、大喜多寛氏も登場した

「アウディ史上最速のアバント」登場

RSモデルとは、アウディのスポーツモデル開発生産部門「quattro Gmbh(クワトロ ゲーエムベーハー)」が手がける高性能プレミアムスポーツ車。ル・マン24時間での4連覇をはじめ、レースシーンでその技術力を実証しているアウディが、モータースポーツで培ったテクノロジーをより多く反映させようと設定しているグレードだ。発表会では新型3車種の導入が発表され、その中から「RS 6 Avant」「RS 7 Sportback」が展示された。

ステーションワゴンタイプの「RS 6 Avant」は、「A6」の上級モデルで、アウディ ジャパン代表取締役社長・大喜多寛氏は、「アウディ史上最速のアバント」と同車を説明していた。「RS 7 Sportback」は美しいフォルムの5ドアクーペだ。

来年1月に国内導入予定の「RS 7 Sportback」。発表会ではドイツ仕様車が展示された

小型軽量化を実現しながらハイパワーをキープし、トルクを向上させたV8ツインターボ4.0リッターTFSIエンジンを搭載(写真は「RS 7 Sportback」)

2モデルとも、大型サイドサポートと一体型ヘッドレストを採用し、ホールド感に優れる「RSスポーツシート」を標準装備(写真は「RS 7 Sportback」)

ウェーブデザインが施されたベンチレーテッドディスクローターに、6ピストンのキャリパーが組み合わされたブレーキシステム(写真は「RS 6 Avant」)

ブレーキのオプションとして、直径420mmのカーボンファイバーセラミックディスクと、グレーペイントキャリパーも設定(写真は「RS 7 Sportback」)

この2モデルは、エンジンをはじめ多くの装備が共通であり、いずれもV8ツインターボ4.0リッターエンジンを搭載する。最高出力は412kw(560PS)、最大トルクは2トン近くある車重をものともせず軽快な走りを実現するであろう700Nm。そして0-100km/h加速は3.9秒で、これは先代の記録が4.6秒であったこと、アウディのフラッグシップスポーツ「R8」が3.6秒であることを考えるまでもなく、充分な数字といえるだろう。

ところで、会場に展示された実車を見学しながら、「知的なユーザーが好んで選びそうなモデルだな」という感想を抱いた。

RSモデルはプレミアムスポーツシリーズということで、「RS 6 Avant」は1,520万円、「RS 7 Sportback」は1,570万円と、価格もその格式にふさわしいものだ。ただし、その見た目には品があり、派手なやり方でプレミアムであること、スポーツモデルであることを主張してはいない。そこに知性が感じられるのだ。違いのわかるユーザーならRSモデルを選ぶ、と言ってもいいかもしれない。

「RS 6 Avant」。楕円形の大型エグゾーストパイプとリヤディフューザーがスポーティなイメージを高めている

「RS 7 Sportback」のエレガントなコクピット。ドライバーインフォメーションシステムには「RS 7」専用機能も装備

もちろん、ハイクオリティなエクステリアやインテリアから、そして(試乗はできなかったが、スペックから想像するに)走りからも……、随所から"只者でない"感がにじみ出ている。とくに「RS 6 Avant」のスポーティなキャラクターは、実用面がクローズアップされるステーションワゴンタイプであるだけに、他と違う特別感をユーザーにもたらすだろう。

一方、「RS 7 Sportback」は、ドライバーインフォメーションシステムに専用機能として、ブースト計、油温計、ラップタイムモニターが装備されているとのこと。サーキットへ行かずともドライバーの想像力をかきたて、好奇心を満たし、このモデルとモータースポーツとの密接なつながりを感じさせてくれるに違いない。

なお、今回の新型3車種追加により、RSモデルは現行の「TT RS Coupe」「RS 5」「RS 4 Avant」と合わせて6モデルのラインナップとなったとのことだ。