「英語で言いたいことが伝わらない!」

英語でコミュニケーションを取らなければならない場面が増えていませんか? みんな英語で話しているのに、自分だけ蚊帳の外。意を決して話しかけてはみたものの、言いたいことが伝わらなくて…。

そんなときはどうしたらいいのか、「ENGLISH JOURNAL」を発行するアルクで、英語学習のアドバイザー育成に携わる佐々木富恵さんにお話をうかがいました。

■沈黙は悪いイメージに

佐々木さん:
言いたいことが伝わらないというご相談は、よく聞きます。語彙力、文法、発音のほか、文化の違いで伝えたい中身が伝わらないなど、理由はさまざまです。

こんなとき、一番良くないのは、黙りこんでしまうこと。日本には、「沈黙は金」という言葉があるぐらいですから、相手が沈黙していてもさほど重く受け止めません。しかし、文化が違うと状況は異なります。

「黙りこんでしまったけど、いったい何を考えているのだろう?」
「彼はミステリアスだ(ちょっと変わってる)」
「会話に退屈しているのかな?」

と、悪いイメージを与えてしまいます。

誤解を生まないためにも、なんて言っていいかわからないということや、考えている最中であることを伝えましょう。

■黙り込まずに、単語をつなげるフレーズを覚える

「とにかく、コミュニケーションをとりたいという意志を伝えましょう」と佐々木さん

これをとっさに口に出せるよう、沈黙を埋める言葉を覚えておくことをおすすめします。例えば、「少し考えさせて」を意味する「Let me think.」や「Let me see.」など。

それさえ思い出せないときは、「Well」だけでも大丈夫。考えている最中だということを伝えましょう。

近くに英語が得意な同僚がいたら、「こういいたいけど、単語が出てこない」とためらわずにヘルプを出してもOK。コミュニケーションを取ろうとしているということがわかれば、協力してくれる人も現れるし、相手も理解する努力をしてくれるでしょう。

■しゃべれないなら書いてしまおう

コミュニケーションは言葉に寄らないものもたくさんあります。ジャスチャーを使ったり、メモに図やグラフを書いて説明したり。会議の場であれば、あらかじめパワーポイントなどで資料を作っておくこともできます。

言葉によらないコミュニケーションを「ノンバーバルコミュニケーション」といいますが、なかなか伝わらない場合は、ノンバーバルコミュニケーションに頼ることも大事です。

また、話すよりも書くほうが得意という方もいるでしょう。その場合はメールを活用するのも良い方法です。

I can't find the right words to explain it. Can I get back to you later by e-mail?
(うまく言えないから、メールで説明してもいい?)

この表現なら、相手に了解をとりつつ、伝えたいことがあるということを理解してもらえます。

言いたいことが伝わらないのはもどかしいもの。でも、伝えようという姿勢はとても素晴らしいです。諦めずにチャレンジし続けましょう!


<取材対象者プロフィール>
佐々木富恵
アルク英会話事業部ESACチーム(ESAC人材育成トレーナー)。学生時代、海外に行きたいという思いからESSサークルに入り、英語学習を本格的にはじめる。現在は、ESACというアルクが認定する英語学習のアドバイザー資格取得のサポートをしている。