――H・ジャックマンさんはオーストラリア出身ですよね。撮影期間中にシドニーを案内してもらったりはしましたか?

案内はされませんでしたが、「TAOはどこに滞在しているんだい?」と聞かれて、「オペラハウスの近くのハーバーにあるホテルだよ」って答えたら「TAO、絶対にボンダイビーチに滞在しなきゃダメだ」って言われて(笑)。そうやって彼の知っている素敵なところを教えてくれましたね。映画のクルーみんなでディナーする際も、彼がセットアップして美味しいレストランに連れていってくれたりもしました。

――撮影中、TAOさんがキャストの皆さんに手料理を振る舞うなんてこともありませんでしたか?

それ、みんなに言われていたんですけど、そんな余裕が全くなくて。ずっと私とリラちゃん(福島リラ)で「なにか振る舞った方がいいね」と話はしていたんですけどね。日本で撮影しているときに、ちょうど寿司屋「すきやばし次郎」のドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る(原題:Jiro Dreams of Sushi)』が流行っていたので、ヒューは一週間に2回くらい高級なお寿司屋さんに行っていました。「TAOたちも行かなきゃダメだよ」とも言われましたよ(笑)。

――そんな憧れの方との恋人役を見事に射止めたわけですが、どんな役作りを行ったのですか?

わたしなりに"彼女(マリコ)は、こういう人なんじゃないか"というアイディアを現場にもっていき、それに監督から助言してもらった内容を加え、組み立てていきました。劇中も最初から恋仲であるわけではないので、出会いから恋に落ちるまでを本当の恋愛のように段階を踏んでお芝居をさせてもらいました。

――役柄であるマリコではなく、"TAO"さんでも劇中の状況であれば恋に落ちたと思いますか?

落ちないわけがないと思いますよ(笑)。

――それは相手が憧れのH・ジャックマンさんだったからですか?

それももちろんありますが、彼(ウルヴァリン)と彼女(マリコ)はお互いに他人とは共感しえないものがあり、そんなときに初めて"彼(彼女)だったら理解してくれるんじゃないか"という存在に出会ったわけですから。

――やはりお付き合いするなら、年齢関係なく、ウルヴァリンのような筋肉質な方がいいですか?

いや、実は私がっちりした体型の方は苦手なんです。筋肉質な体型と細身であれば、細身の方が好きですね。ヒューが好きっていうのもその部分ではないんですよ(笑)。

――そうなんですか!?

彼のなんでもこなせる器用さとか、顔が凄くタイプなんです(笑)。

――TAOさんは今、ニューヨークにお住まいとのことですが、日本にはあまり帰ってきていないんですか?

ちょくちょく日本には帰ってきています。撮影のときはシドニーから日本に行ったのですが、季節が真逆じゃないですか。8月の日本に行くというので、スタッフの人たちから「今パッキングしているんだけどさ、今半袖とか必要なの?」って聞かれて「半袖じゃないとみんな暑くて死んじゃうよ」って答えたんです。それくらいオーストラリアの人たちは日本のことを知らないんだなと実感しました。

――菊地凛子さんとプライベートで仲良しだというお話を聞きました。何か菊地さんにアドバイスはもらいましたか?

役作りに関しては話せなかったんですけど、"ハリウッドとは?"、"お芝居とは?"という根本的なことに関してはオーディションの段階で質問しまくりました。何も分からないんです!という自分の状態を包み隠さず話したらとても親切に答えてくれて、それが凄く支えになりました。

――最後に、今後やってみたい役柄などがあれば教えて下さい。

色々な役をやってみたいと思います。今回、悪役の方と絡むシーンが少しだけあったんですけど、それがとても興味深くて「私もやってみたい! 、その意地悪な役! 」って思いました。なので悪役もやってみたいなと思いますが、一番の夢はミュージカルに出演することなんです。

TAO
14歳でモデルデビュー。2006年からパリコレクションに参加し、のちにミラノ、ロンドン、ニューヨークと活動の場を広げる。2009年、ニューヨークに活動拠点を移して大ブレイク、数々のトップメゾンのランウェイを歩き、ラルフローレンやエンポリオアルマーニなぞのそうそうたるワールドキャンペーン広告、雑誌への出演を果たす。2009年Vogue Nippon 11月号は、同誌初の試みで表紙、中身共TAOをフューチャーした特別記念号が出版された。2009年FEC Model of the Year、2010年Vogue Women of the Year受賞。その後も国際的な活躍が注目を浴び、演技未経験ながら本作のヒロイン"マリコ"役に大抜擢された。

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