宮崎駿監督の引退にメッセージを送ったちばてつや氏

『あしたのジョー』や『おれは鉄兵』などで知られ、日本漫画家協会理事長を務める漫画家のちばてつや氏が7日、スタジオジブリの宮崎駿監督が正式に引退を表明したことを受け、オフィシャルブログ「ぐずてつ日記」を更新し、その心境を綴っている。

宮崎監督より2歳上のちば氏は、ブログの中で「人生にしても、ニュースにしても嬉しいことと、残念なことが交互にやってきます」と前置きした上で、「ジブリの宮崎駿監督の引退は突然だったし、残念でした。でも、アニメを愛する、真摯で優しい人柄が滲む、とても素晴らしい記者会見だった。心から、『お疲れ様、しばらくはゆっくりお休みください。』と言ってあげたいです」と、宮崎監督へのメッセージを送った。引退の第一報を受けた2日の更新では、「まあ、だけど、長編作品は体力的に無理だけど、短編は続けるようなので ワシと心境は変わらないか」とも語っている。

なお、ちば氏は、9月1日に宮崎監督の長編アニメーションとして最後の作品となった『風立ちぬ』を鑑賞したことをブログで報告。「いろいろな雲たち、小川のせせらぎ、風、樹木など日本の四季折々の美しさが見事に表現され、何よりも、そこに生きる日本人の勤勉さ、貧しいけれども、凛とした礼儀正しい日常が自然とともに描かれていて、『ああ、武士の心を持った昔の日本人ってこうだったなぁ』『そうそう、こういう家に住んでいて雨戸をいちいち閉めたっけ』などと、とても懐かしく嬉しかったよ」と当時を懐かしむ様子を綴りながら、「堀越さんと婚約者の愛も美しく、不覚にも、何度か涙をこぼしてしまった」と、『風立ちぬ』への想いを巡らせていた。

また、本作の喫煙シーンをめぐって論争が巻き起こっていた『風立ちぬ』だが、ちば氏は、同じくブログにて「今はタバコの煙りは苦手だけど、今、世間で話題になっているタバコを吸う場面、けっこう出てくるけど、時代が時代だけにそんなに気にならなかった。それよりは、素晴らしい作品を作ってくれたスタジオジブリと宮崎監督に大拍手」と称賛している。