「今回は本気です」と引退の意向を改めて表明した宮崎駿監督

現在公開中のアニメーション映画『風立ちぬ』をもって引退することを表明していた宮崎駿監督が6日、都内で引退会見を行い、会見前の報道陣には「公式引退の辞」と題した正式コメントが配布された。

ネイビーのストライプシャツに薄紫のジャケットという出で立ちで登場した宮崎監督は冒頭に「あいさつについては『公式引退の辞』というメモをコピーしてお渡ししてあるので、あとは質疑応答で。一言だけ言いいますと、僕は何度も辞めると言って騒ぎを起こしてきた人間なので、どうせまただろうと思っている方も多いでしょうけど、今回は本気です」と話し、次のスタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーのあいさつを挟んで、報道陣からの質疑応答に移っていった。

この日詰めかけた報道陣は600人以上。イタリア、フランス、台湾、中国、韓国など海外メディアの記者も多く、まさに全世界が注目した引退会見となった。報道陣に配布された「公式引退の辞」全文は以下のとおり。

公式引退の辞(宮崎 駿)

ぼくは、あと10年は仕事をしたいと考えています。自宅と仕事場を自分で運転して往復できる間は、仕事をつづけたいのです。その目安を一応"あと10年"としました。
もっと短くなるかもしれませんが、それは寿命が決めることなので、あくまでも目安の10年です。
ぼくは長編アニメーションを作りたいと願い、作って来た人間ですが、作品と作品の間がずんずん開いていくのをどうすることもできませんでした。要するにノロマになっていくばかりでした。
"風立ちぬ"は前作から5年かかっています。次は6年か、7年か……それではスタジオがもちませんし、ぼくの70代は、というより持ち時間は使い果たされてしまいます。
長編アニメーションではなくとも、やってみたいことや試したいことがいろいろあります。やらなければと思っていること――例えばジブリ美術館の展示――も課題は山ほどあります。
これ等は、ほとんどがやってもやらなくてもスタジオに迷惑のかかることではないのです。ただ家族には今までと同じような迷惑をかけることにはなりますが。
それで、スタジオジブリのプログラムから、ぼくをはずしてもらうことにしました。
ぼくは自由です。といって、日常の生活は少しも変わらず、毎日同じ道をかようでしょう。土曜日を休めるようになるのが夢ですが、そうなるかどうかは、まぁ、やってみないと判りません。
ありがとうございました。