圧倒的なサイズと造型密度を極限まで高めたプライズフィギュアブランド「Grandista(グランディスタ)」。これまでさまざまな人気作、人気キャラクターたちが本ブランドでフィギュア化されてきたが、2025年6月には、『HUNTER×HUNTER』 より、ヒソカが登場する。
今回は「HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-」登場を記念して、原型を担当した山下マナブさん・石崎紗央里さんにインタビューを実施! ヒソカを造形するうえでのこだわりや、おふたりの『HUNTER×HUNTER』愛を存分に語ってもらった。
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山下マナブ(写真左) バンプレストブランドの『KING OF ARTIST』シリーズ等を担当。美大卒業後、油絵画家を経て原型師の道に進む。/石崎紗央里(写真右) バンプレストブランドの『Q posket』シリーズ等を担当。山下氏と同じ会社で経験を積んだ後、フリーの原型師として活動。
「憧れのキャラクターを作れるのが原型師の面白いところ」‐ふたりの止まらない作品愛
――「HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-」の原型はおふたりで仕上げたとお聞きしました。どういう経緯で共同制作することになったのでしょうか。
石崎 少し前に出た「VIBRATION STARS」シリーズのイルミやカイト、あとはネフェルピトーも私が担当しており、その流れで今回のヒソカのお話もいただきました。「Grandista」という大きなフィギュアシリーズでヒソカを作れたら最高だな~と思ってはいたのですが、スケジュール的に私が作ることが難しくて……それで、山下に相談してみたんです。
――山下さんは相談されたとき、どんな心境でしたか?
山下 『HUNTER×HUNTER』がめちゃくちゃ好きなので、ぜひやりたいと。ただ別の仕事もあったので、担当者さんに「1ヶ月、時間をください」とお願いして、今回の仕事のスケジュールを取ってもらったんです。
――お願いするくらい、今回は関わりたいお仕事だったんですね!
山下 そうですね!
石崎 スケジュール的に厳しければ、途中からは私が対応しようという話をしていたのですが、結局は山下が一人でほぼぜんぶ仕上げました(笑)。
山下 うん、やっちゃいました(笑)。
石崎 ふたりとも『HUNTER×HUNTER』が好きなので、嬉しい限りです。
――なるほど(笑)。ちなみに、ふだんは一緒にお仕事することもありますか?
石崎 あまりないですが、先ほどお話したカイトとイルミのときは少し手伝ってもらいました。カイトに関しては、ズボンのしわなど仕上げてもらったんです。1/3くらいは作業してもらったんじゃないかな?
山下 時間が合えば、ちょいちょい手伝うことがありますね。
――改めて、『HUNTER×HUNTER』への愛を語っていただければと思います!
山下 好きなところを言い出したらキリがないのですが(笑)。「キメラアント編」のネテロの感謝の正拳突き、「選挙編」でジンがビーンズに「狙った通りに獲物が動けばハンター冥利だろ?」というシーンは印象に残っていますね。“念”という概念は、ものづくりをやっている人たちは近いものを感じているんじゃないかなと思っています。あとは、ゴンとキルアが最初からハチャメチャに強いという訳じゃないのがいいんでしょうね。
石崎 成長していく過程が見られるのがいいよね! 私も『HUNTER×HUNTER』は大好きな作品のひとつです。あと、『HUNTER×HUNTER』がまさにそうなのですが、自分が小さい頃に見て「カッコいい!」と思ったキャラクターのフィギュアを自らの手で造り上げることができるのが、原型師の面白いところだなと思いますね。
――もともと好きだった作品、カッコいいと思っていたシーンやキャラクターを形にできるというか。
石崎 そうですね! 私は、「このキャラクターのここがカッコいい、このシーンがカッコよかった」と、その時に感じたときめきを思い出しながら原型を作ることが多いです。
肉体美に妖艶さに、ヒソカの魅力を細部まで表現! 「HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-」の造形・彩色ポイント
――そんな『HUNTER×HUNTER』愛が深いおふたりが造形を担当した「HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-」。こだわったポイントを教えてください。
山下 「構図」と「作り込み」ですね。アニメ『HUNTER×HUNTER』もこだわりが深いので、そのこだわりをできるだけ追いたいと思いました。例えば、ズボンのシワのラインをできるだけ拾えればと思ってがんばりました。
石崎 アニメって動かすために絵を工夫していることが多いと思いますが、「Grandista」のような大きいサイズのフィギュアでアニメの線をそのまま拾っちゃうと、間延びしちゃいがちで。なので、しわの線を増やしたり入れたり、へこみをちょっと入れてみて影が落ちる情報を増やしたりなど工夫しています。
――フィギュアの場合はアニメや漫画とは違い、立体で360度キャラクターが見えます。その分、いい意味での嘘を付けない部分があるというか。
石崎 そうですね。絵だと一枚絵としてカッコよくデフォルメするために、あえて歪めている部分もあると思いますが、フィギュアの場合はその印象も拾いつつ、立体としての整合性を持たせるための工夫が必要となってきます。そのために、該当のシーンだけでなく、作中の色々なシーンを参考にして、できるだけ立体でもそのキャラクターらしさが表現できるようにしています。
山下 今回で言えば、上半身が裸ということで「グリードアイランド編」で水浴びをしているヒソカのシーンの筋肉感も参考にしながら造形していきました。
――個人的には筋肉・血管の表現が美しいなと思いました。
石崎 ありがとうございます! 私、ヒソカって細マッチョでカッコいいという印象があって。どれくらいの筋肉量にするのかはBANDAI SPIRITSの企画担当さんや山下と最初にイメージを共有して、作っていきました。
山下 血管については、実はアニメを見る限りあまり描かれてはいないんです。ただ、リアリティを持たせるためにはあったほうが説得力あるかと思って、少しアレンジを効かせました。
――その他、工夫している点などをぜひお聞きできればと思います。
石崎 髪の毛の、影の入れ方ですね。
山下 よくあるのは、造形を強調させるように、谷になっている箇所など入り組んだ部分に影を入れるんです。
石崎 今回はリアルな影を追いたいと思い、造形の下側からエアブラシをかけました。工場で生産されるときにどうなるかなと思いましたが、きちんとブラシを下から入れていただいていて、ありがたいです。原型のときはできても、生産のときにできないこともあるんですよね。
――今取材しているのは工場の量産品に近い状態のサンプルですが、かなり精度高く原型を再現できていますね。
石崎 そうですね。お客様もかなり喜んでくれるのではないかなと思います。あと、個人的にはシルエットのバランスも好きです。
山下 でしょ(笑)? いただいたイラストのポーズが、人によって重心が左右しそうなものだったんです。個人的にはそういうチャレンジのしがいがあるものを作るのは楽しいので、面白かったですね。
石崎 あとは角度かな。このフィギュアは背中が正面なので、どの角度にするのがベストなのかは最初に話し合って決めました。
――石崎さんは山下さんが作った原型を見たとき、どう思いましたか?
石崎 「いいじゃん!」と思いました。せっかく大きなサイズのフィギュアで作れるならいいものを作りたかったので、『HUNTER×HUNTER』愛のある山下が引き受けたいと言ってくれたときは、私もすごく嬉しかったですね。実際にいいものが完成したと思います。
――最後に、「Grandista」シリーズと『HUNTER×HUNTER』ファンの皆様にメッセージをお願いします!
山下 「Grandista」シリーズに関わるのは初めてでしたが、とても面白かったです。「Grandista」シリーズ並びに『HUNTER×HUNTER』ファンの皆様、ヒソカの立体化を一緒に喜びましょう。そして、これからも『HUNTER×HUNTER』を応援していきましょう!
石崎 これからもみなさんが求めてくださったら『HUNTER×HUNTER』の「Grandista」シリーズが展開されていくと思うので、ぜひヒソカをゲットしてみてください。あと、同時期にプライズでネフェルピトーの「VIBRATION STARS」シリーズのフィギュアも出ます! こちらは初期の猟奇的なネフェルピトーをイメージしたので、あわせて手に入れていただけたら嬉しいです!
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6月の展開が楽しみな「HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-」。同時期に展開の、石崎紗央里さんが手掛けた「HUNTER×HUNTER VIBRATION STARS-ネフェルピトー-」もお楽しみに!
2025年6月に登場! 「HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-」商品概要
『HUNTER×HUNTER』愛のあるふたりが最大限のリスペクトとこだわりを込めて制作した「HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-」。2025年6月よりプライズ商品として全国に展開するので、ファンの方は要チェック!
商品名:HUNTER×HUNTER Grandista-ヒソカ-
登場日:2025年6月12日(木)より順次登場予定
商品仕様:全1種、約28cm
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[PR]提供:BANDAI SPIRITS