旅行会社が企画するツアーに添乗員として同行する時に必要になるのが旅程管理主任者(ツアーコンダクター)の資格です。この資格の取得方法などをチェックしてみました。

■旅程管理主任者(ツアーコンダクター)って、どんな資格なの?

旅行会社が企画するツアー、または団体旅行に同行し、旅行計画に従って交通機関や各種施設との調整を行ったり、対応したりして旅程を調整する業務に当たるため必要になる資格です。添乗員として旅行客に観光地案内を行ったり、演出をして場を盛り上げたりすることもあります。

■資格を取得するには?

旅程管理主任者(ツアーコンダクター)になるためには実務経験が必要になるため、まずは旅程管理主任者(ツアーコンダクター)を派遣する会社に登録したり、旅行会社へ入社したりして実務経験ができるところで働く必要があります。以前は社員が直接ツアー添乗員をまかされることもあったようですが、近年ほとんどのツアーでは添乗員派遣会社から派遣されることが一般的なようです。

派遣会社へ登録、もしくは旅行会社に入社したら旅程管理主任者(ツアーコンダクター)資格取得に必要な研修を受講します。

始めはeラーニングでも学べる基礎添乗実務研修を受講し、その後、国内の旅行のみ添乗できる「国内旅程管理主任者」の研修(法令約款や国内添乗実務が学べる2日間の研修)、もしくは海外の旅行にも添乗できる「総合旅程管理主任者」の研修(上記研修に加えて、海外添乗実務と添乗英語を合わせて学べる3日間の研修)に参加しなければなりません。

実際に資格をもらうためには、上記研修を修了した日から前後1年間以内に添乗実務経験を1回以上こなすこと、もしくは研修を修了した日から3年以内に2回以上の実務経験をこなすことが必要になります。

■研修の内容は?

基礎添乗業務研修(eラーニング)では、「添乗員の仕事とはどういうものなのか」、「添乗サービスの基本」などの基礎的な知識を学びます。この講座を受講し修了すれば、次の添乗実務研修に進むことができます。

添乗実務研修では「旅行業法令・約款」、「国内添乗実務」、「海外添乗実務」などのより実践的な知識を学びます。また研修にはテストも含まれており、テストに不合格となった場合は再受講が必要です。内容を理解しているかどうか確認の意味で行われるテストのため、研修内容をしっかり理解できれば合格は難しくないレベルの試験となっています。

■添乗実務経験として認められる範囲は?

添乗実務を経験したと認められる範囲は、実際のツアーに補助添乗員として同行した場合、旅行会社ツアーに添乗員として同行した場合、派遣登録会社で行われる研修ツアーに参加した場合、日本添乗サービス協会主催の研修ツアーに参加した場合などです。「国内旅程管理主任者」を取るには国内の添乗実務経験、「総合旅程管理主任者」を取るには海外の添乗実務経験が必要となり、いずれも添乗員講師のもとで指導を受けなければなりません。

■旅程管理主任者(ツアーコンダクター)の資格は、どんな時に使える?

ツアー旅行は、基本的にツアーコンダクター1人で添乗業務を行うことが多く、その場合は旅程管理主任者(ツアーコンダクター)という資格取得者でなければ、添乗業務が行えないようになっています。添乗員として働きたい場合は、必須の資格と言えます。

参考サイト:一般社団法人日本添乗サービス協会「旅程管理主任者(ツアーコンダクター)」