いよいよ8月3日より、毎年恒例の「戦隊+ライダー夏映画」が公開される。2013年の今年は『劇場版 仮面ライダーウィザード イン マジックランド』と『劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ・オブ・ミュージック』。現在テレビ朝日系で毎週日曜7:30より放送中の特撮テレビドラマ『獣電戦隊キョウリュウジャー』の映画出演は、今年春に公開された『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』などがあるものの、キョウリュウジャー単独映画としては今回が初となる。
本作には、なんと「戦隊でミュージカル!?」というキャッチコピーがついており、今までの「スーパー戦隊」映画と同じく豪華絢爛、盛りだくさんな内容になっている。今回はテレビシリーズの第1~4話を演出し、作品の基礎を築き上げた本作の坂本浩一監督と、監督の期待に応えて激しいアクションを見事にこなしたキョウリュウレッド/桐生ダイゴ役の竜星涼のふたりに本作の話を聞いた。本編に負けず劣らずのブレイブなお話をお楽しみいただきたい。
竜星と出会った時に「こいつはダイゴだな」と感じた
――『獣電戦隊キョウリュウジャー』の撮影も半年が過ぎ、まさに絶好調という感じだと思いますが、まずは最初の頃を振り返っていただきます。お互いの第一印象はいかがでした?
坂本監督:竜星を最初に見たのは、オーディションの時ですね。何人かの候補の方と一緒に面談に来てもらったのが最初です。もともと僕たちスタッフはダイゴというキャラクターを作るにあたって「天真爛漫なイメージでいこう」とビジョンを持っていました。そこに、竜星が持っていたさわやかな好青年的なイメージが合わさったら、面白いんじゃないかな、と思いましたね。見た目がワイルドな人が演じるより、彼みたいな整った顔立ちの好青年が演じたほうが、ダイゴという役が膨らむかなと。
竜星:オーディションの時、僕と一緒にいた人たちはみんな「僕はこういうことをやってきて、こんなことができます!」という、自己アピールがとにかくすごかったんです。そういうのを、ああ、すごいなあと客観的に見ていましたが、いざ自分の番が回ってくると、そういうアピールが出てこなくて「……がんばります!」としか言えなかった(笑)。そんな僕を、まわりのスタッフさんたちが割と冷めた目で見ていた中で、坂本監督だけは笑顔を向けてくださいました。
坂本監督:役者がそれぞれ持っている雰囲気が、役柄に加算されていくというのがいいんです。ある程度は役者と役のイメージを合わせていくわけですけれど、そこにプラスされていくのは、役者それぞれが持つ素材の良さなんです。そんな中で、竜星と出会った時に「こいつはダイゴだな」と感じて。ダイゴを演じてもらい、ダイゴという役柄をより魅力的に高めてほしいと思ったんですよ。
竜星:撮影に入る前から「坂本監督ってこんな人だよ」なんてスタッフの方からうかがってましたよ。
坂本監督:えっ、どんな風に聞いてたんだろう。
竜星:それはもう、冗談を連発するとか、女性の脚がお好きだとか(笑)。
坂本監督:そこかよ!(笑) みんなで楽しく撮影を進めたいと考えているので、こちらからジョークを言ったり、現場を盛り上げたいという気持ちはありますね。
坂本浩一 |
竜星:それだけでなく、アクションシーンでは非常にプロフェッショナルというか、真剣勝負というか、誰よりも熱っぽく演出されていますよね。
坂本監督:撮影に入る前、5人にアクションの練習で集まってもらったんだけど、竜星はバリバリにアクションができたんで、おっ、こいつはいいぞと(笑)。バシバシいけるなと思ったんです。それで1話目から長めの立ち回りや、爆発とかもやったりしたね。
竜星:第1話のアクションシーンは、僕が一番多かったんじゃないかな。
坂本監督:そりゃそうだ。レッドだしね。
竜星:びっくりしたのは第4話まで、主役のはずなのにずっと僕の顔は汚れメイクでしたよ(笑)。撮影初日からアクションシーンで始まって、僕としてはとてもやりがいがあるというか、楽しかったです。普通、監督さんはアクションシーンだとアクション監督にお任せになるそうですが、『キョウリュウジャー』のときは坂本監督とアクション監督の福沢(博文)さん、2人体制でアクションに臨むという。アクションのできる監督さんがいらっしゃると、とてもやりやすいところがありますね。……続きを読む