直接効果と経済波及効果(推計)

電通総研は、結婚や出産で退職・離職した25~49歳の主婦が、希望どおりの再就業をした場合の消費の増加による直接効果と経済波及効果を推計。合わせて、子どものいる主婦3,000人を対象に、「家事・育児・消費および就業意識に関するアンケート」を実施した。調査期間は6月17日~6月18日。

退職・離職した主婦の再就業による経済波及効果は約6.4兆円

同社では、公表されている統計データを用いて、「結婚前に就業しており、結婚や出産を理由に退職・離職し、現在無業かつ再就業意向のある25~49歳の主婦」の人口を推計。「5歳刻みごとに、希望する就業形態別の勤続0年次の平均年収」を掛け合わせて個人所得の増分を試算した。

また、これを可処分所得(支払い義務のある税金や社会保険料などを差し引いた手取り収入)に換算した金額に、平均消費性向を掛け合わせ、見込まれる消費増加額を算出。この消費増加額を元に、産業連関表を用いて、各産業への直接効果と経済波及効果を試算した。

その結果、「結婚や出産を機に退職・離職して、現在無業かつ、再就業意向がある」女性は、25~49歳女性人口の18.8%と推計。また、消費増加額は約3.2兆円で、直接効果は約3.0兆円、経済波及効果が約6.4兆円と推計された。

子育てと仕事の両立の条件は「夫の理解・協力」「フォローしあえる職場環境」

子育てと仕事の両立に必要な環境・条件(複数回答の上位5位まで)

アンケートで「子育てと仕事の両立に必要な環境・条件」を聞いたところ、1位は「夫の理解・協力(63.3%)」、2位は「突発的に休んでもフォローしあって働ける職場環境(61.7%)」となり、それぞれ6割にのぼった。次いで、3位「自宅のそばに勤め先がある(51.4%)」、4位「勤め先で『子育て優先』といってもらえる(48.8%)」、5位「短時間勤務・シフト勤務・フレックス勤務ができる(46.7%)」となっている。

主婦の4割が、育児休業の最大3年取得について「条件付きで賛成」と回答

「育児休業を最大3年取得できる」という制度についての意見

「育児休業を最大3年取得できる」という制度についてどう思うか聞いたところ、「条件付きで賛成」が40.0%と最多。次いで、「どちらともいえない(24.1%)」、「賛成(21.5%)」となり、「反対」は14.4%にとどまった。

なお、「賛成」を選んだ理由としては、「離職する人が減り、安心して育児できる」が47.1%、「3年休むか、1年で復帰するかを選べる」が46.7%。反対の理由は「職場に戻りにくい」が68.3%、「同じ職場の人に迷惑がかかる」が66.4%となり、「条件付きで賛成」の人でも「職場に戻りにくい(58.4%)」や「同じ職場の人に迷惑がかかる(48.0%)」と考えている人が多いことがわかった。