7月13日より、パシフィコ横浜で"特別展マンモス「YUKA」~シベリアの永久凍土から現れた少女マンモス~"が開催されている。期間は9月16日まで。
少女マンモスの「YUKA」
同展の見所は、展覧会のタイトルにもなっているメスのマンモス。2010年にサハ共和国で発見された3万9,000年前の6~11歳になるマンモスで、体がほぼ完全に残っていたという。
少女マンモスは、発見された地域の名前が「ユカギル」であったことにちなみ、「YUKA」と名づけられた。
大きさは、鼻の先から後ろの足まで3メートルほど。高さは約1.2メートル。残念ながら、背中に大きな裂け目があり、腸の一部などを残して中身はない状態とのこと。しかし、コラーゲンが豊富で腐りにくい皮膚は、ほぼ完全な状態で残されている。
2013年2月には、ユカから脳を摘出。ほぼ完全な状態で残っており、マンモスの生態解明につながるとして世界中で報道された。
展覧会では、ガラス越しにではあるが、かなり間近でユカを見ることができる。鼻の先はとがっており、尻尾はかなり短め。これはケマンモスの特徴であるとのこと。
アフリカゾウ、ナウマンゾウなどの骨格も展示
また、この他にもアフリカゾウ、ナウマンゾウなどの骨格が展示された。
アフリカゾウは、現在の地球上でもっとも大きな陸上動物。メスと子供のみで群れを成すという。群れにいる個体の数はおよそ10~50頭。オスのアフリカゾウだと牙は3メートルにまで成長する。
アジアゾウは、南~東南アジアに生息するゾウ。とても穏やかな性格のため、メスのアジアゾウは家畜として長い間人間と共存してきたという。なお、インドゾウはアジアゾウの一種で、日本の動物園で見るゾウはほとんどがインドゾウだそうだ。
ナウマンゾウは、氷河期に日本列島に生息していたゾウで、日本を代表する種類。北海道や長野、東京などでも化石が発見されている。絶滅したのは約2万年前で、ドイツ人のナウマン氏が研究していたことからこの名前がつけられた。
ケマンモスは、全身が毛に覆われているゾウで、氷河期にシベリア~北海道にかけて生息していたとされる。ほかのゾウに比べると牙がより曲がっているのが特徴で、オスのケマンモスは肩の高さが3.4メートルほどにもなるという。
そのほか、これらのゾウの標本として頭部や歯、皮膚や毛なども展示された。直接触ることができるものもあり、実際に触れて学べるコーナーとして設置されていた。
マンモスの胎児の化石
特別展では、ユカとは別に非常に珍しいケマンモスの胎児の化石も展示された。骨格もかなり小さく、発見された際、一緒にいるはずの母親の化石が見つからなかったことから早産で産み落とされた可能性が示唆されている。
マンモスで作った家
同展では、本物のマンモスの骨と牙の化石を使ったマンモスハウスが公開された。特別展のためにサハ共和国で仮組みされたとのこと。このタイプのマンモスハウスはロシアのヨーロッパ平原で多く発見されており、狩猟したマンモスや、拾い集めたマンモスの骨を使用したと考えられている。
マンモスが食べていたもの
また、ケマンモスの胃や糞の化石も展示された。絶滅した動物が食べていたものを特定することは困難であるが、歯の形やあごの形などを考察しながら割り出していくという。ケマンモスの場合は、胃や腸の中身が化石になって発見されており、そこから食べていた草の種類まで特定することができた。
そのほかの生物の展示
特別展では、そのほか絶滅動物や絶滅危惧種の全身骨格や復元図などが公開された。ケサイやサイガなど、耳慣れない動物たちを見ることができる。
ギャートルズとコラボ!
同展では、マンモスにちなんで『ギャートルズ』のコラボパネルも設置。ギャートルズは、園山俊二原作の漫画。架空の原始人たちが登場するもので、マンモスを狩ったり、マンモスの肉を食べたりする場面がある。
おみやげの種類も豊富だ
特別展では、おみやげコーナーも充実している。マスコットぬいぐるみ「ユカ」(840円)や、マンモスのペーパークラフト(840円)などが販売されている。
■特別展詳細
場所:パシフィコ横浜 展示ホールA
期間:2013年7月13日~9月16日
開館時間:9:00~17:00(水・金は19:30まで)
入場料:一般(高校生以上) 2,200円、小中学生 1,200円