皆さん、こんにちは! フィスコリサーチレポーターの三井智映子です。

突然ですが、皆さんは「IPO」ってご存知ですか? 聞いたことある! という方も多いのではないでしょうか? そこで、今日は「IPO」について紐解いていきましょう。

「IPO」って何?

IPOは、「Initial Public Offering」の略です。日本語にすると最初に公開する、提供されるもの、新規公開で売られるものという意味で、新規公開株を指します。それまで日本国内で非上場、非公開だった株式を新規に上場し、市場に新しく株式を供給するのがIPOなのです。

株式上場にあたって、2つの資金調達方法があります。新たに株券を発行して資金調達をする「公募」と、上場前に株主が保有している株式を売り出す「売出し」です。通常はどちらも行う、ということが多いようです。そしてその株式が売り出される、つまり投資家に配分されるわけです。株主を一定数以上増やすということが、株式の上場条件に含まれています。

成長に必要な資金の調達が出来る、企業の知名度が向上して人材の採用に繋がるなどのメリットがあります。確かに近頃は就職活動の際にIRなどをしっかりチェックする学生さんも増えていますよね。どのくらいの企業が上場しているのかといいますと、2012年新規上場企業数は48社。月に4社ほど上場しているペースになります。2009年は19社、2010年は22社、2011年は37社なので多かったように感じますが、リーマンショック前の2008年49社の水準に戻してきた、という感じです。

株価だけでなく、ここでもリーマンショックの影響があったんですね。政策の影響で2011年から2012年にかけて各取引所の上場制度の改正が実施されたことや、全国で上場誘致活動が各地の取引所で活発化したことも、復活要因のようです。今年は去年より増えるかもしれませんね。ちなみに過去最高は2000年の203社です! これは多いですよね!

フィスコ リサーチレポーターの三井智映子さん

IPO銘柄は買いたければ買える、というわけではない

ではIPO銘柄にはどんな銘柄があるのかといいますと、例えば近頃ではマザーズ市場に上場したペプチドリーム<4587>の初値が、公開価格の2500円に対して7900円! ペプチドリームは特殊ペプチドと呼ぶ物質を使った新薬開発を手掛ける、東大発のバイオ医薬品ベンチャーですが、初値は公開価格の3倍以上! 夢がありますよね。

これにより昨年末からIPO銘柄の初値は、20社連続で公開価格を上回ったことになります! まさに今はIPOブームと言えるのではないでしょうか。

でもIPO銘柄は買いたければ買える、というわけではありません。ではどうやって買えば良いのでしょうか? IPOは上場前の一部の株を抽選で事前に購入する事が出来るので、入札が必要になるのです。これをブックビルディングといいます。証券会社のHPには新規上場する会社が表示されているページがあります。そこで募集をしている会社の申込ボタンをクリックし、買いたい株数と金額を入力すると申込手続が完了します。簡単ですよね。

このように投資家がいくらでどのくらい買いたいか、というニーズを調べて新株の価格決定を行なう方法を「ブックビルディング方式」といいます。ブックビルディング方式はすでに上場している企業の公募増資の際にも使われますが、IPOの時に使われることが多い用語ですので覚えてみてくださいね。入力できる金額はだいたいの幅が設けられていますが、 株式取得のための投機的な入札によって人気銘柄の発行価格が高くなってしまうこともあります。申し込み期間終了の翌日に抽選が行われます。それまでに買付余力(買える分のお金)を用意しておかないと抽選資格を失ってしまうので気を付けてください。幸運にも当選した場合、購入意思表示をしたらあとは上場日を待つばかりです。

近いスケジュールで上場するのは、6/27 ICDAホールディングス(3184)がジャスダックに、7/10 夢展望(3185)とフォトクリエイト(6075)が東証マザーズに上場します。特に注目されている銘柄をご紹介しますね。まず6/26大証ジャスダック上場予定のリプロセル(4978)。リプロセルはヒトiPS細胞及びヒトES細胞の技術を基盤としたiPS細胞事業と、臓器移植等に係わる臨床検査事業をしていてかなり! 注目されています。また、7/3はサントリー食品インターナショナル(2587)の東証上場も予定されています。これはやはりメジャー銘柄として注目です!

日本株全体の地合いに関わらず殆どが上がるというIPOの人気は続いています。とはいえ公募価格より下がる場合ももちろんあります。また上場したばかりの銘柄は株価の値動きが激しいことが多く、始めは上がってもしばらくすると、公募価格を下回る場合もありますのでご注意を!

執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 三井 智映子

共立女子中学校・高校を経て、早稲田大学政治経済学部へ。2001年から芸能活動を開始し、現在テレビ、CM、舞台などに出演。また、いち消費者とアナリストの中間的な存在であるフィスコのリサーチレポーターとしても、株式やFXの現場を取材レポートしています。