チョコバー「ブラックサンダー」を製造・販売する有楽製菓と、豊橋鉄道は共同で、路面電車「ブラックサンダー号」の運行を17日より開始した。同日に発車式も開催され、鉄道史上初となるお菓子の「一日駅長」に就任したブラックサンダーもお披露目された。

豊橋鉄道モ3200形「ブラックサンダー号」

ブラックサンダー「一日駅長」も披露

ブラックサンダーといえば、2004年頃から人気が上昇し、2008年の北京五輪で男子体操・内村航平選手の好物として注目され、人気が爆発した日本のチョコバー。現在は年間約1億3,000万個を販売しているという。

しかし、このお菓子が20年近くにわたって販売されてきたことや、製造・販売元である有楽製菓の国内メイン工場が愛知県豊橋市にあることはあまり知られていない。そこで同社は、「ブラックサンダー」の地元・豊橋でのさらなる知名度アップや社会貢献を図るべく、豊橋鉄道と組み、路面電車「ブラックサンダー号」を登場させた。

黒と赤、稲妻をイメージした黄色のボディに、ブラックサンダーの鮮やかなロゴが大きく配置されたデザインは非常に目立つ。車体上部には、「豊橋にはコレがある!」というキャッチコピーがあり、有楽製菓の思いが込められている。ロゴ部分こそシールを貼り付けたものだが、ベースとなるカラーは車体に塗装されており、一般的なラッピング電車とは一線を画した本格的な仕様になっている。

同電車のベースはモ3200形(3201)。豊橋鉄道の路面電車は現在、最新式の車両を中心に運行しているが、このモ3200形は昭和の時代から名古屋鉄道の路面電車で活躍して車両で、その後、豊橋鉄道が譲り受けた。ポップなブラックサンダーのグラフィックと、時代を感じさせるレトロな車両のミスマッチが、独特な雰囲気を生み出している。

中央を黄色い稲妻が駆け抜けるおなじみのデザイン。「豊橋にはコレがある!」とキャッチも

正面の稲妻は左右対称。ヘッドライトが光ると一段とかっこいい。最近はブラックサンダーを「豊橋銘菓」としてもアピールしているそう

中吊り広告もブラックサンダー。この車両のレトロ感は、鉄道ファンでなくても乗りたくなる

発車式には、有楽製菓代表取締役社長の河合伴治氏、豊橋鉄道代表取締役社長の伊藤優氏、豊橋市副市長の有安敬氏らが列席。復興大臣を務める根本匠氏から祝電も寄せられ、「安倍首相もブラックサンダーが大好物」との内容が披露された。豊橋鉄道の路面電車「ブラックサンダー号」は、今後1年間にわたって運行される予定だ。

「一日駅長」を務めるブラックサンダーのモニュメントも、発車式にてお披露目された。イメージガールでも、「ゆるキャラ」などでもなく、お菓子そのものが駅長に就任するという「鉄道史上初」の企画。「一日駅長」のタスキを肩(?)にかけたブラックサンダーのモニュメントは、19日まで新豊橋市電駅前広場に設置されるとのこと。

発車式で披露されたブラックサンダー「一日駅長」を多くの報道陣が囲み、インタビュー(?)まで受ける場面も

「豊橋銘菓」のロゴ入りブラックサンダー

「ブラックサンダー号」外観