JR西日本はこのほど行われた定例社長会見にて、「中期経営計画2017」のあらましを発表した。この中で、事業戦略のひとつとして、広島地区への新製車両の導入、大阪環状線への新車投入について言及している。

広島地区の在来線は、いまも115系など国鉄時代の車両が大半を占める

広島地区では、同社発足から四半世紀以上を経た現在も、在来線において103系や105系、113系、115系、キハ40系など、国鉄時代に製造された車両が大半を占める。

今回の中期経営計画では、同地区を西日本エリアの中でも「成長が見込める地方中核都市」と位置づけており、新保安システムの導入に合わせて「新保安システム対応の新製車両を導入」するという。白島新駅の開業によるアストラムラインとのアクセス改善、可部線の電化延伸などにより、広島都市圏のシティネットワークの充実も図られる。広島駅では駅周辺の再開発事業と連携し、橋上駅化や駅ナカ商業施設の開発などで拠点性を向上させる。

なお、西日本エリアでは、「新たな豪華列車」の導入も計画されているという。

京阪神を中心とする近畿エリアにおいても、大阪環状線を重点線区と位置づけ、新車投入などによる安全・安定輸送対策と快適性の向上を図る。おおさか東線北区間(新大阪~放出間)事業や、うめきた整備にともなう地下新駅設置などにも取り組む。新幹線においては、新型車両N700Aを順次投入するほか、2015年春の北陸新幹線金沢開業に向けた準備を進め、さらに将来の敦賀開業に向けたフリーゲージトレインの技術開発にも挑戦する。

今回公表された中期経営計画は、JR西日本の中長期を視野に入れた中での今後5カ年の取組みとして策定されたもの。2005年の福知山線列車事故以降、経営の3本柱に掲げた「被害者への対応」「安全性の向上」「変革の推進」についても、引き続き経営の最重要課題として進めていくとしている。