女優の真木よう子が、自身の主演映画『さよなら渓谷』(6月22日公開)のエンディングテーマを歌い、同曲の作詞・作曲を歌手の椎名林檎が手掛けたことが13日、明らかになった。

映画『さよなら渓谷』のエンディングテーマを歌う、主演の真木よう子(左)と作詞・作曲を担当した椎名林檎

真木が歌声を披露するのは、2011年にTOKYO No.1 SOUL SETのデビュー20周年を記念した企画アルバムに参加して以来のこと。エンドロールまで映画の世界観を残すために真木が歌うことが決まり、「歌手ではない私が歌うなら信頼できる方とご一緒したい」という彼女の思いをくみ、もともと親交のあった椎名林檎に楽曲提供を依頼した。

椎名は映画を見ながら、その世界観を楽曲へと落とし込んだ。そうして生まれた「幸先坂(さいさきざか)」に、真木は「想像をはるかに超えてきたというか、この作品にぴったりの曲を上げてきてくださったので、椎名さんの才能に改めて驚きました」と感激し、「希望を匂わせたエンディングであると思ってたこともあり、そういうこともしっかりと汲み取って表現してくださった気がしたのです」と読み取っていた。

「"歌う"ということのお話に対しては最初は正直抵抗感がありました」と語る真木。スタッフや共演者と一丸となって作った作品のエンディングテーマ、その上、憧れの椎名林檎からの楽曲提供だったため、相当なプレッシャーが彼女を襲った。しかし最後には、「でも歌うと決めたから頑張ろう、それだけでした」と腹をくくって収録に臨んだ。

一方の椎名は、「無音のエンドロールをぼんやり眺めていると、真夏の土の匂いのように音楽が沸き上がりました」と鑑賞直後の感覚を振り返り、「ずっと昔から渾渾と生まれて来ていたのにずっと見ないフリをして済ませて来ていたかのようにこの映画には、一貫して、作為とは無縁の大自然が横たわっていたのです」と感想を語った。そして、「だからこちらから提供する素材も、決して調理しないよう気を付けました」と楽曲に込めた思いを伝えた。

(C)2013 「さよなら渓谷」製作委員会