「りんごポリフェノール」(AP)を摂取した群で有意に延長(p<0.0001)

アサヒグループホールディングスの「食の基盤技術研究所」は8日、順天堂大学大学院千葉大学大学院との共同研究により、「りんごポリフェノール」の摂取による老化モデルマウスでの老化抑制作用と生体内での抗酸化作用を初めて明らかにした。

同研究は、健康維持やクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上の役割を担う食品開発に向けて、機能性素材である同物質による老化予防機能及び生体内抗酸化の検証を行ったもの。研究成果は、24日から28日に宮城県仙台市で開催される「日本農芸化学会2013年度大会」において発表される。

マウスの寿命延長効果、生体内での抗酸化作用を初めて確認

酸化ストレスが生体へおよぼす影響を解析するために作製された、老化促進モデルマウスと考えられる心筋特異的マンガン-SOD欠損マウスを用いた検証の結果、「りんごポリフェノール」を摂取したマウスの寿命が延びることを確認した。

「りんごポリフェノール」を摂取した欠損マウスでは、摂取しなかった欠損マウスと比べて、「心臓の重量」が有意に減少し、心臓機能低下の要因となる「心筋組織の線維化」の度合いは有意に低い値を示し、酸化・老化マーカーである「心臓DNA中の8-oxodG」の量は低い傾向を示した。

「りんごポリフェノール」(AP)摂取で「心臓の重量」「心筋組織の線維化」「心臓DNA中の8-oxodG量」が改善

「りんごポリフェノール」を摂取した欠損マウスの心筋細胞では、摂取しなかった欠損マウスと比べて「心筋細胞が産生する活性酸素種」の量が低い値を示した。これにより、同物質の摂取によって「生体内の過剰な酸化ストレス」が軽減され、欠損マウスの生存率が上昇している可能性が示唆された、としている。

「りんごポリフェノール」(AP)摂取で「心筋細胞が産生する活性酸素種」の量が低下