昨年2月に放送開始した「スーパー戦隊シリーズ」の第36作『特命戦隊ゴーバスターズ』も、今年の2月で終了を迎える。しかしその前に、「戦隊」恒例の「劇場版・VSシリーズ」最新作『特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャーTHE MOVIE』が1月19日に公開された。テレビシリーズの撮影もいよいよラストスパートを迎えるこの時期、イエローバスター役/宇佐見ヨーコを演じた小宮有紗から、1年間にわたる撮影の思い出や、映画にかける意気込みなどを語ってもらった。
「スーパー戦隊シリーズ」とは、1975年に放送開始した『秘密戦隊ゴレンジャー』を第1作とする、東映制作の「チームーヒーロー」作品の総称。『ゴレンジャー』と第2作の『ジャッカー電撃隊』のみ、『仮面ライダー』『人造人間キカイダー』などで知られる石ノ森章太郎が原作を手がけている。八手三郎原作による第3作『バトルフィーバーJ』(1979年)からは一度の中断もなく、1年に1作のペースでシリーズが重ねられてきた。
2011年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』では「スーパー戦隊シリーズ35作記念」と銘打ち、歴代戦隊ヒーローに「豪快チェンジ」して戦うゴーカイジャー6人の活躍を描いた。2012年に登場した『特命戦隊ゴーバスターズ』は、長い「戦隊」の伝統を受け継ぎつつ、等身大の怪人と巨大なロボットが別々に襲撃したり、ヒーローアクションをよりリアルなスタイルにしたりと、さまざまな新機軸を打ち立てて好評を博している。
レッド、ブルー、イエローそれぞれに「バディロイド」と呼ばれる「感情を持ったロボット」がいるのも『ゴーバスターズ』の大きな特徴だ。小宮が演じる宇佐見ヨーコのバディロイドは「ウサダ・レタス」。小さい身体ながら何かと口やかましく、ささいなことで言い争いばかりしているが、お互いに強い信頼で結ばれている。
1年間の撮影がもうすぐ終わろうとしているこの時期、小宮はどのような思いを抱いているのだろうか。
小宮:「撮影が終わっても、まだGロッソ(東京ドームシティアトラクションズのゴーバスターズショー)」の公演や、ファイナルライブツアーで全国を回りますので、まだ完全に終わったという状況ではないんです」
「スーパー戦隊シリーズ」に携わるヒーローは多忙だった。1993年の第17作『五星戦隊ダイレンジャー』あたりから、変身前の役者は後楽園ゆうえんち野外劇場(現:東京ドームシティアトラクションズ・シアターGロッソ)の秋・冬公演にレギュラー出演することが恒例になっていた。近年はこれに加えて現役戦隊と新戦隊の引き継ぎイベント「プレミア発表会」や、春の全国公演「ファイナルライブツアー」などもあり、テレビ放映が終わっても"ヒーロー活動"はしばらくの間、継続するのであった。
小宮:「ライブショーをやるとうれしいのは、観ている子どもたちからの反響を直接聞けることです。テレビで応援してくれているのはわかるんですけれど、やはり子どもたちから間近で声援を受けたりすると、ああ、自分はヒーローを演っているんだなあという自覚がわきますね」
2012年にはイメージDVDや写真集も発売され、今後はアイドルとしての活躍も期待される小宮。『ゴーバスターズ』に熱い声援を送る男性ファンも多いと思われるが……。
小宮:「私の場合、男性のファンの方もたくさんいらっしゃいますけれど、女の子からの応援も多くて、それがうれしいんです。ヨーコという役柄は、一年間の物語の中で大きく成長していくキャラクターでしたから、『私もヨーコみたいになりたい』と、女の子が憧れてくれたらいいなと思っていたんです。私自身、ヨーコと一緒に成長できたら、と思って撮影を頑張ってきました」
では、ヨーコという人物を演じたことで、小宮自身はどのように変化したのだろうか。
小宮:「周りのスタッフ、出演者との信頼関係を築けたことが成長につながったと思います。個人的なことでは、こういったインタビューを受けても、ちゃんと受け答えができるようになりましたね(笑)。演技では、一年間ヨーコという役を演じてきて、感情を作りやすくなってきたと思っています」……続きを読む