東京都渋谷区恵比寿にあるヴィーナスアカデミーでは、「自分自身もキレイになりながら業界で活躍できる技術を身につけること」をコンセプトに、美容・ファッション・ブライダル業界で働く人材育成をめざしている。学生はすべて女性。美に対する意識・意欲の高め、自分らしい"キレイ"をめざす。そんな学生生活の集大成といえるのが、模擬ブライダルイベント(2012年12月12日開催)だ。

人前式が終わると、背後の窓が開け放たれ、リゾート感あふれる庭園で記念撮影となる

式のプログラム構成から、ヘア・メイク、スタイリング、当日の司会進行に至るまで、すべてが学生たちの手で行われる。毎年、実際の結婚式場を使っての本格的イベントとなり、2012年度の会場は「THE LANDMARK SQUARE TOKYO」。青空と庭園のグリーンを背景に臨める開放的なチャペルでの式に始まり、都内を見渡せる29階のレストランで披露宴という流れで行われた。今回のウェディングのテーマは「雪」、テーマカラーは「白と紺」に決め、ドレス、ブーケ、ペーパーアイテム、キャンドルに至るまで美しく統一。花嫁も学内オーディションで選ばれたトータルビューティ学科の学生が務める。すべてが学生たちだとわかっていても、見事につくりあげられた世界観の中で、新郎新婦を見ていると、本当の式に参加しているような気分になる。

挙式のロマンティックな演出をはじめ、すべての内容は担当している班が、それぞれにプレゼンテーションを行い、通ったもののみ実行してきたという厳選ぶり。学内でのプレゼンに限らず、式場の担当者との打ち合わせや交渉など実際のプロを相手にする場面も多く、このイベントを経験する前と後では、学生たちの態度や表情が大きく変わると、担当講師で、現役のウエディングプランナーでもある岡村奈奈さんは語る。「プレゼンの練習にもなりましたし、みんながそれぞれ自分の役割をしっかりと果たして、がんばって準備することができました」と、今年も手ごたえはあったようだ。

来年度、ブライダルコーディネーター本科に進む1年生などは列席者として参加。 先輩たちの一大イベントを見て、今後の刺激にもなるだろう。イベントの最後にはブライダルコーディネーター本科の学生たちからお世話になった講師の方々への感謝の手紙の朗読が。途中、涙で言葉がつまる場面もあり、学生たちにとって貴重な体験とともに、忘れられない思い出になったようだ。