女優の工藤夕貴とクロード・ガニオン監督が10日、東京・赤坂のカナダ大使館で行われた、映画『カラカラ』の完成披露試写会に出席した。

映画『カラカラ』の完成披露試写会に出席した工藤夕貴

日本とカナダの共同製作である映画『カラカラ』は、沖縄を舞台に描く悩める大人のロードムービー。親友をガンで亡くし第二の人生を模索する元大学教授のピエール(ガブリエル・アルカン)は、旅先の沖縄で、主婦の純子(工藤)に出会い意気投合する。夫のDVに悩み家を飛び出した純子は、ピエールの旅に同行し、2人は沖縄を巡る旅をしながら新たな自分と向き合っていく――というストーリーで、映画は19日から全国順次公開予定。

真っ赤なドレス姿で登場した工藤は「フランスっぽい雰囲気の作品。一生懸命に生きる2人を観て下さい」とPRし、英語での演技について「いつも自分の言葉じゃないという不安があったんですが、今回は自分の言葉で喋ってると思えたし、心地良かった」と振り返った。また、「私も子どもの頃にDVを受けてたので、純子を受け入れやすかった。その頃は、自分のことがよく分からなくなってたけど、この作品を通じて自分であることの素敵さを改めて感じました」と過去にDVを受けていたことを告白した工藤は、同作にちなみ“人生を変えた出会い”について聞かれると「今どき珍しい日本男児と結婚したこと。毎日、人生勉強をさせてもらってます」と、2010年に結婚した武道家との結婚生活について触れ、照れ笑いを浮かべた。

そんな工藤に、クロード監督は「今まで作った作品の中で、1番スムーズにいきました。夕貴が本当に頑張っていて、細かいところまで分かってくれていた」と大絶賛。同作は第36回モントリオール世界映画祭で、世界に開かれた視点賞と観客賞をW受賞しており、クロード監督が「この作品を上映している時、観客が喜んでる雰囲気が伝わってきて素敵な気持ちになった」と笑顔で語ると、工藤も「このような芸術作品が大きな注目を浴びることは無いので、賞をとれて良かった。あんなに喜んだことは人生で1度も無いくらい、みんなで抱擁しました」と改めて喜びを噛みしめた。