日本航空(JAL)と日本ケンタッキー・フライド・チキンは28日、国際線の新しい機内食メニュー「AIR ケンタッキーフライドチキン」を発表した。機内食「AIRシリーズ」の7番目のメニューとなる。機内の調理環境でも地上と変わらないおいしさを実現したという。日本発欧米路線の一部で、プレミアムエコノミークラスとエコノミークラスの目的地到着前に提供する。

クリスマスと言えばチキン「AIR ケンタッキーフライドチキン」

メニューはオリジナルチキン2ピース、コールスロー、レタス、オリジナルフラットブレッド、マヨネーズ風味のオリジナルソースのセット。オリジナルチキンは機内専用にカットされた手羽元(30g)と、店頭では単品販売されないサンド用のフィレ(100g)。手羽元は機内で手軽に食べられるようにカットされており、フィレはレタスと一緒にパンにはさんで食べられるよう骨なしの1枚肉を使っている。

セット内容

カーネルサンダースと空をイメージしたパッケージ

チキンはどちらもケンタッキーフライドチキンが店頭で使用する国産ハーブ鶏で、秘伝の「11ハーブ&スパイス」で調理されるなどオリジナルレシピそのまま。機内向けとしての調整はしていないとのこと。店頭での揚げたての食感を再現すべく、チキンのサイズ、カット、事前調理、機内オーブンの出力や温め時間、包装にいたるまで研究を重ね、開発に1年をかけた。また、実際のフライトで日本のKFC関係者や米国KFC本部スタッフを招いた試食を数回実施したという。「当初は油が回りすぎて失敗するなど苦心した。KFCさんの協力で工夫と研究を重ねて完成に至った自信作」(日本航空開発グループ長・田中誠二氏)。

オーブンで出来立てを再現するためのサイズとカット

サンドを作ると男性の手からはみ出すボリュームになる

機内食限定の「フラットブレッド」はKFCが開発した。店頭のサンド用バンズとは異なり、全粒粉を多めに使って風味を強め、しっとりとした食感にしたという。手のひらより長いサイズはサンドを作りやすく、はさんだ後で具材をこぼしにくい形状とした。フィレ、レタスを載せ、オリジナルソースをかけてはさむとぴったりのサイズ。完成したサンドはボリュームたっぷりだ。

「AIR ケンタッキーフライドチキン」の提供路線は成田発、ニューヨーク・ボストン・シカゴ・ロサンゼルス・サンディエゴ・ロンドン・パリ・フランクフルトで、提供期間は2012年12月1日(サンディエゴ線は12月2日)~2013年2月28日の3か月。10万食を用意するとのこと。提供クラスはプレミアムエコノミーとエコノミーのみ。機内調理施設の使用時間の関係から、ファーストクラス・エグゼクティブクラスの「Anytime You Wish」では提供されない。

カーネルサンダース氏をはさんで左が日本航空代表取締役社長の植木義晴氏。右が日本ケンタッキーフライドチキン社長の渡辺正夫氏。ケンタッキーフライドチキンの創業者カーネルサンダース氏はかつて3度来日し、すべてJALを利用したという