家事がひと段落したところで始まる昼ドラ。主婦にとって見やすい時間帯に放送されている

テレビ離れがすすんでいるといわれています。ですが、その一方で昼ドラが好評のようで、現在放送中の「幸せの時間」は過激な内容から話題を集めています。今回は、「主婦が昼ドラにハマる理由」を化粧心理学者の平松隆円さんにお話ししていただきます。

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昼ドラといえば、これまで子どもの成長など家族や主婦を題材にした感動的なもの、不倫など男女のもつれを題材にした愛憎的なものが、放送されてきました。

好評な理由は、いろいろあるでしょう。ストーリー自体のおもしろさがくつろぎやリラクゼーションになっていること。また、ストーリーの非日常性が刺激や興奮を得ることにつながり、気分転換になっていること。「みんなが見ているから、私も見ないとついていけない」という人間関係の維持や強化を目的とした話題づくりなどが考えられます。もちろん、午後の活動までのひとときに視聴できるという環境的な要因も考えられますが、決してそれだけではありません。一体なぜ、人は昼ドラにハマってしまうのでしょうか。

昼ドラには、感情移入しやすいキーワードがいっぱい

心理学的な研究で、人は、恋愛、友情、障害や病気で頑張る人がテーマとなっているストーリーに関心を持ちやすいといわれているのですが、まさに昼ドラは、これらがモチーフとして扱われています。そして、恋愛や友情をめぐる出来事は、一度は自分自身が経験したことがあり、場合によってはいま悩んでいる問題でもあるのです。そんなテーマには、人は感情移入がしやすくなります。研究では、女性の場合、男女の恋愛、親子の愛情、仲間同士の友情、障害・病気の人の頑張る姿に共感し、感情移入してしまうことがわかっています。そのため、女性は昼ドラに「うん、うん、わかる」と、ついつい見入ってしまうのです。

例えば、2004年に社会的にも話題となった「牡丹と薔薇」。これもよくみると、男女の恋愛はもちろん、家計を助けるために風俗店で働こうとする親子の愛情、真世と香世の仲間同士(兄弟)の友情などがちりばめられており、感情移入しやすい番組だったのです。どうしても昼ドラというと、過激な性描写やセリフの言い回しばかりが注目されてしまいますが、自らの恋愛体験や結婚生活など、女性たちが共感できる内容だからこそ支持されているんです。

男性からは何が面白いのか分からない

しかし男性からすると、昼ドラのどこが面白いのかわからないという人もいるでしょう。それは、男性の場合は女性と異なり、仲間同士の友情、人生における達成・成功に感情移入しやすいからです。そのため、昼ドラのテーマとは少しずれてしまうため、どうしても男女でハマり方に差がでてしまいます。

ですが、昼ドラにハマる恋人や妻を持つ男性は気をつけてください。彼女たちが共感しているということは、経験したことがあるか、いま悩んでいる可能性があるからです。恋人や妻がドロドロした恋愛に共感しているなら、一度話し合っても良いかもしれませんね。

著者プロフィール

平松隆円
化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。大学では魅力をテーマに恋愛心理学も担当。 NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響を呼んだ。