『セックス・アンド・ザ・シティ』(1999年)や『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)などへの出演で知られる俳優のブラッドリー・クーパーが、亡くなった父から影響を受けて俳優への道を歩むことになったと米エスクァイア誌に明かしている。
少年時代はかなり反抗的だったというブラッドリーだが、亡くなった父チャールズの知的で好奇心旺盛な性格に影響を受け、俳優を目指すことになったようだ。「僕は面白い家庭で育った。僕の父はアイルランド人で母はイタリア人だったんだ。裕福な家庭だったよ。何か浮ついた感じもあったね。それでもちゃんと育ててもらったよ」そう振り返ったブラッドリーは、その後非行に走ったこともあったが、父がいつも映画について語り、次第に映画に心奪われることになったと続けている。
「もちろん非行に走ったこともあったよ。僕が15歳の時には未成年の飲酒で逮捕されたんだ。母のグロリアにはいつも『電話だけはちゃんとしなさい。あなたがどこにいるか知っておきたいの』って言われていた。だから両親とはいつも良いコミュニケーションが取れていたんだ。僕の父はひどく賢くて好奇心旺盛だった。実家は映画館の向かいにあったから、父はいつも映画の話をしてくれて、僕が物心ついた時にはその映画館に連れて行ってくれるようになった。父はトム・コートネイの大ファンだったね。トムの『長距離ランナーの孤独』は父が初めて僕に見せてくれた作品の一つだ。それから『ドレッサー』や『火山のもとで』もね。父はアルバート・フィニーも大好きだったな」
そんな37歳のブラッドリーは今年初めに、コンプレックスを抱えていたため29歳になるまでドラッグやアルコールに明け暮れていたものの、それが自分の人生を台無しにしてしまうことに気づき、以来きっぱりとドラッグも飲酒もやめたと語っていた。「僕はもう飲酒もドラッグも金輪際やらない。しらふの方が物事はうまく行くんだよ……(飲酒やドラッグをしていた頃)自分の人生や住んでいたアパート、飼い犬たちを思っては『どうなっているんだ?』って思ったことを思い出すよ。僕は周りが自分の事をどう思うか、どうやってやって行こうか、どうやって1日1日を生き延びようかってことばかり心配していた。僕はいつも部外者だって感じていたよ。ただ自分の考えの中にこもっていた。そして僕は自分の可能性を生かしきれないと信じ込んでいて、その考えに怯えていたんだ。それで『なんてことだ。僕は実際自分の人生を台無しにすることになる。これじゃだめだ』って思ったわけさ」
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