新設された地下躯体には、免震構造のための地盤強化という役割もある。地下躯体と1階の間に免震層があり、約350基のアイソレーター(ゴム板と鋼板を幾重にも重ねた柱)と、約160台のオイルダンパーがある。日本最大規模の免震システムという。

丸の内北口に新設された「トラベルサービスセンター」は、英語・中国語・韓国語・日本語に対応。営業時間は7:30~20:30。海外で発行された「JAPANレールパス」など外国人向け企画乗車券の発売およびクーポン引換え、その他の乗車券やびゅうツアー商品、宿泊、手荷物の手配などに対応する

「トラベルサービスセンター」の奥にインターネット接続PCを用意している。日本らしさを象徴する土産品や特産品も展示。英語・中国語・韓国語のパンフレットもそろう

鉄道グッズも買える「東京ステーションギャラリー」

「東京ステーションギャラリー」は1988年に設置され、レンガ壁の美術館として18年間にわたって利用された。企画展は105回、来館者はのべ約235万人という実績がある。このギャラリーも復原された駅舎で6年半ぶりに再登場する。入口は丸の内北口の改札口横で、目印として赤レンガの壁で展示内容を紹介している。1階はエントランスホールで、順路はエレベーターで3階展示室に上がり、回り階段で2階へ。2階には展示室と休憩室、ドーム壁面に沿った回廊がある。これらをめぐって階段でエントランスに戻る。

「東京ステーションギャラリー」のエントランス

Suicaをかざすと地図上に履歴を描く「Sharelog 3D」(廣瀬通孝氏作)

「東京ステーションギャラリー」の開館日は10月1日。最初の展示となるのは、「東京駅復原工事完成記念展 始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語」で、2月24日まで開催。出品する作家は秋山さやか氏、大洲大作氏、クワクボリョウタ氏、柴川敏之氏、パラモデル(林泰彦氏 / 中野裕介氏)、廣瀬通孝氏、廣村正彰氏、本城直季氏、ヤマガミユキヒロ氏。レンガ壁の色やぬくもり感を生かした作品や、駅や鉄道の情景、路線網をテーマとした作品が並ぶ。

ミュージアムショップには赤レンガをモチーフにしたグッズや、駅弁の姿をしたタオルなど、鉄道をあしらったおみやげが多数

同美術館の開館時間は、平日が11:00~20:00、土休日が10:00~18:00。休館日は12月29日~1月1日と毎週月曜日。ただし月曜が休日の場合は開館し、翌日が休館となる。開館日の10月1日は月曜だが、10:00~14:00のまでの特別開館となる。入館料はオープン記念として当面は500円で、中学生以下は無料。20名以上で団体割引、また、障害者手帳持参者とその介添え者1名を割り引くとのこと。開館日からしばらくは混雑が予想されるため、平日は10時から、土休日は9時から、入館時間帯を指定した整理券を配布するという。

JR東日本取締役 東京支社東京駅長 梅原康義氏の挨拶(要約)

本稿の締めくくりに、東京駅長の梅原康義氏の言葉を紹介したい。

東京駅長の梅原康義氏

「お客様、関係者、近隣のご関係者の皆様のご支援とご指導を頂いて、東京駅は100年前の姿に戻りました。大正末期から昭和にかけて、日本が最も元気だった時代の姿と言っていいでしょう。この姿を見て、これからの100年を展望し、日本がもっともっと元気になれることを期待したいと思います。東京駅は成田空港とレールがつながり、羽田空港も近く、このたび開業するステーションホテルだけではなく、周辺に国際的なホテルも多い。その意味で、日本が世界に向けて誇れる駅です。また、今回は335mの駅舎の下に免震装置を入れるという高度な安全対策も実施し、最も安全な駅になりました。あらためて御礼申し上げます」