松たか子、阿部サダヲ初共演の西川美和監督最新作『夢売るふたり』(9月8日全国公開)が、第37回トロント国際映画祭に正式出品されることが決定し、ワールドプレミアとして実施されることがわかった。
同作は火事ですべてを失った夫婦が金策のために結婚詐欺をはたらき、その嘘の繰り返しがやがては夫婦間のもつれへと繋がっていく衝撃のラブストーリー。『ゆれる』(2006年作)でのカンヌ国際映画祭、『ディア・ドクター』(2009年作)でのモントリオール国際映画祭に続き、3度目の世界挑戦となる西川美和監督は「たくさんの外国映画に憧れて育ったので、こういう機会をいただけることは自分も作品で世界にお返しができるような気がして何よりうれしいです」と感想を述べながらも、「東京に生きる夫婦と女たちの話を、海外の人がどのように受け止めるのか、理解されるのか、されないのか、とても知りたい」と早くも作品の評価が気になるようだった。
トロント国際映画祭は、カナダの最大都市トロントで毎年9月に開催される国際映連公認の映画祭。1976年に創設されたノン・コンペティションの映画祭で、来場者数は約32万人、上映作品は例年300以上という北米最大規模のイベントとなっている。これまで『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年作)、『プレシャス』(2009年作)、『英国王のスピーチ』(2010年作)など、その後にアカデミー賞を受賞する作品が数多く選ばれている。
同作の出品部門は「スペシャル・プレゼンテーション」というメイン部門となり、2010年には『ノルウェイの森』が上映されたが、日本映画がこの部門に選ばれるのは極めて異例。映画祭のプログラミング・ディレクターは同作について「とにかくこの映画が好きなので、ワールドプレミアとして招待することができて嬉しい」とコメントを寄せている。
(C)2012「夢売るふたり」製作委員会