東日本大震災による原発事故の影響で脚光を浴びる自然エネルギー。中でも太陽光発電は一般家庭でも導入できるため、注目度も高い。そんな中、太陽光発電の業界を騒然とさせるデータが今年はじめに公開された。

東日本大震災で注目を集める太陽光発電

東日本大震災による原発事故の影響で脚光を浴びる自然エネルギー。中でも太陽光発電は一般家庭でも導入できるため、注目度も高い。そんな中、業界を騒然とさせるデータが今年はじめに公開された。

それは、シャープや京セラ、パナソニック、三菱、ソーラーフロンティアといった各メーカーの太陽光発電システムの発電量データで、孫正義氏が代表取締役社長を務めるSBエナジーがリアルタイムで公開している。なぜこのデータ公開が衝撃的だったのか。それは、「どのメーカーの太陽光発電にするか」といった選択基準を根本から覆すものだったからだ。

これまでは、「『変換効率』が1つの選択基準でした」。そう語るのは、住宅設備コーディネーターで、太陽光発電の設計・販売・施工を行う「琉球てぃーだ」(沖縄・北谷)代表取締役菱田剛志氏だ。

変換効率とは、太陽光パネルで受ける光エネルギーの何%が電気エネルギーに変換されるかといった数値で、太陽光発電システムのスペックを示す数値としてメーカーカタログにも掲載されている。しかし、このデータはある特定の環境下での測定値。実際の設置場所ではこの環境条件と異なるケースも多く、変換効率といった"理論値"と、設置してみての"実測値"に大きなギャップが生じてしまうことが多い。

ほぼ同じ条件下で各メーカーの製品能力比較

しかし、SBエナジーのデータはほぼ同じ条件下での発電量を測定しているため、各メーカーの発電量の差が一目瞭然なのだ。例えば3月。北海道・帯広で測定されたデータを見ると……シャープ、京セラ、パナソニック、三菱といった国内シェアの高いメーカーをおさえ、ソーラーフロンティアが最も多い発電量を示した。

SBエナジー帯広太陽光発電試験場での3月の発電量比較(SBエナジーの公開データより作成) 拡大はこちら

ここで浮かぶ疑問。なぜソーラーフロンティアがこれだけの結果を残しているのか。菱田氏にその素朴な疑問をぶつけてみた。