大分県名物は新鮮な海鮮や温泉だけじゃない。実は、豊かな素材をふんだんに駆使した、絶品スイーツの宝庫なのである。今日ご紹介するのは、地元では知らない人のないほどの人気スイーツたち。その中から、筆者イチオシの3店舗をご紹介しよう。
単にスイーツのおいしさが秀でているだけでなく、味わえるロケーションがまたすごい。雄大な高原の真っただ中だったり、硫黄の香りムンムンの温泉郷だったり、ギャラリーのようなカフェ空間だったり。
地元民で知らぬものなし! 「地獄蒸しプリン」
まずご紹介するのは、かなりの有名どころ。大分の人で知らない人はいない「岡本屋」の「地獄蒸しプリン」(230円)だ。別府の山のふもと、観光客でにぎわう明礬(みょうばん)温泉という温泉郷で、この手作りプリンは生まれた。
このプリンは添加剤、防腐剤など一切なしのナチュラルな作り。その味はしかし、あっさりではない。一度食べるとやみつきになるような、ちょっぴりビターな強めの味わいなのだ。カラメルが香ばしく、苦味とのコンビネーションの絶妙さに、固定ファンも多いとか。日本茶もセルフで飲める。ゆったりとしたひと時を、過ごしてほしい。
行列覚悟! 濃厚な甘さとなめらかな舌触りのソフトクリーム
次にご紹介するのは、オープン当初から絶大な人気を誇る、久住高原のガンジー牧場。併設されているショップ「ガンジーハウス」のソフトクリーム(350円)である。シーズンを問わず、休日なんかにこの牧場へ行くと、駐車場を見て驚いてしまう。ものすごい車の列なのだ。
さらにソフトクリームを販売しているブースの周辺も人の列だ。「そこまでしてソフトを買うか!?」そう思いながら、試しにひとつ購入してみると、ううっ! 確かにうまいぞこれは。そのへんのコンビニなどでは絶対に味わえない舌触りである。
バニラをベースにゴールデンミルクをたっぷり使用したというこのソフトクリームは、濃厚な甘さとなめらかな舌触り、切れの良い甘さが、いつまでも後をひく。駐車場の人ごみに圧倒されて通り過ぎず、ちょっと車をとめてでも、ぜひ食べてみてほしい。あなたもあっという間にリピーターになること間違いなしだ。
3日間煮こんだリンゴはコーヒーとともに
さて、最後。3軒目は湯布院の「ことことや」だ。名前を聞けば、大分や福岡のお洒落な若い女性ならば、「あ! あの店ね!」「行ったことある!」と、すぐにピンと来るだろう。そんな湯布院の有名カフェの、これまた看板メニューをご紹介したい。
湯布院の金鱗湖(きんりんこ)からは少しだけ離れているが、川沿いをゆっくり歩くと店へ到着。静かで人もまばら。とてもいい雰囲気。このカフェのおススメが、「林檎葡萄酒煮」(420円)である。とてもシンプルな、だからこそ絶品といっていい、上質なスイーツである。
3日間煮こんだというリンゴは、歯ざわりもよいし甘さもちょうどいい。生クリームと一緒に食べると、その素晴らしい風合いは感動モノだ。カフェのおだやかなムードを楽しみながら、強めのコーヒーとのバランスも絶妙。由布岳も向こう側に見えるなか、ぜひ心ゆくまで湯布院時間を堪能してほしい。
以上3軒は、大分っ子たちの間では、超メジャースイーツだ。大分っ子は豊かな海の幸山の幸に恵まれ、舌も大変に肥えている。そんな彼らの中でベストセラーになっているスイーツたち、観光で大分へ来た方々には、ぜひ一度トライしてみてほしい。