日本自動車工業会(JAMA)の主催で東京ビッグサイトにて開催される「第42回東京モーターショー2011」。開幕を前に、11月30~12月1日の2日間、プレスデーとして報道陣に公開されている。会場では、トヨタ、日産、ホンダなど国内・海外主要メーカーのコンセプトカーや新モデルが出そろった。

東京モーターショーで、トヨタは「86」を出品

トヨタ「本当のドラえもんはものづくりの現場にいる」

出展ブースの中でも最も広く、そして最も注目を集めたのが、東京ビッグサイトの西2ホールにブースを置くトヨタ。コンセプトカーのほか、11月27日に富士スピードウェイで先行公開されたばかりの小型FRスポーツ「86(ハチロク)」プロトタイプモデルも、もちろん出品されている。

ボディカラーのオレンジが鮮烈

「86」はトヨタと富士重工業(スバル)が共同開発し、名車と評されるAE86のスピリットを継承したスポーツカーで、世界初の「水平対向・D-4Sエンジン」により、高出力と高い環境性能が実現している。

デザインテーマは"NEO FUNCTIONALISM"で、低重心パッケージを基本に、長く愛される普遍的な造形美を追求した。獲物を捕らえる眼差しを表現したフロントの「キーンルック」も特徴に。東京モーターショーに出品されたプロトタイプモデルは、ボディカラーに採用されたメタリックオレンジも印象的で、多くの報道陣の注目を集めていた。

トヨタはその他にも、"つながる"コンセプトカー「TOYOTA Fun-Vii」をはじめ、「FCV-R」「FT-EV III」「Prius Plug-in Hybrid」などを出品している。30日に行われたプレスブリーフィングでは、トヨタ自動車代表取締役社長、豊田章男氏によるプレゼンも行われた。

写真左から「FCV-R」「FT-EV III」「Prius Plug-in Hybrid」

豊田氏は今年発生した東日本大震災やタイの大洪水に触れ、「これらの自然災害に際し、トヨタは何ができるのか自問自答しました」と明かした。

「私なりの結論は、ものづくりを通じて、地域の人々とともに未来を創造していくこと。地域の人々と力を合わせ、復旧・復興の原動力となりたい。トヨタには世界各地域において、ものづくりで培われた現場力、人材力、技術力、そして自信と誇りを持っています」と述べた。このほど放映開始した"実写版ドラえもん"企業広告についても、「ドラえもんは素晴らしい未来の道具で、仲間のピンチを救います。私は、本当のドラえもんはものづくりの現場にいると信じています」と豊田氏は言う。

報道陣を前にプレゼンを行う豊田章男氏

トヨタのブースにはドラえもんも

「ものづくりを取り巻く環境が厳しくなっても、いくつもの試練が降りかかったとしても、ものづくりの底力を信じ、未来の車社会の実現に向けた歩みを着実に進めていきます。合言葉は、『FUN TO DRIVE, AGAIN』そして『NEVER GIVE UP』。これからのトヨタにご期待ください」と豊田氏。熱のこもったプレゼンに、会場から大きな拍手が起きていた。

レクサス、次期GSで「真のグローバルプレミアムブランド」に

「GS450h」

「GS350"F SPORT"」

「LFA Nurburgring Package」

トヨタに隣接してレクサスのブースも展開し、話題の次期「GS」シリーズが日本初披露となった。

FRハイブリッドセダンのパイオニアとして、ハイパワーとエコロジーの融合を高い次元で確立したという「GS450h」と、スポーティバージョンの「GS350"F SPORT"」が並び、いずれも日本発「真のグローバルプレミアムブランド」としての独自性と存在感を高めるモデルに。次期「GS」シリーズは2012年初頭の発売を予定している。

レクサスのブースでは、サーキットでの走行により軸足を置いた「LFA Nurburgring Package」も出品された。来年から生産が始まる予定とのこと。

ダイハツはブルーメタリックの「Mira e:S」などを出品

ダイハツ「Mira e:S」(特別色)

東京ビッグサイトの西2ホールではダイハツも出展。ハイブリッド車なみの低燃費を低価格で実現し、話題を集めた「Mira e:S」から、特別色としてブルーメタリックのモデルが。その他にも、新感覚スポーツカー「D-X」、新発想2シーターEVコミューター「PICO」、小型液体燃料電池を搭載した「FC 商 CASE」など、個性的なモデルも出品されている。

「D-X」

「PICO」

「FC 商 CASE」

今回の東京モーターショーでは、トヨタやダイハツのみならず、他の国内・海外メーカーも注目モデルが目白押し。本誌はその出品内容を随時レポートしていく予定だ。