厚生労働省はこのほど、抗不安薬・睡眠薬の処方実態についてまとめた報告書を公表した。

これによると、2009年の処方では、抗不安薬の単剤処方は83.6%、2剤処方は14.5%、3剤以上の処方は1.9%だった。睡眠薬の単剤処方は72.7%、2剤処方は21.%、3剤以上の処方は6.1%だった。

2005年-2009年おける処方薬剤数

2005年と比較し、抗不安薬では2剤以上の処方率が減少して単剤の処方率が増加。一方、睡眠薬では単剤での処方率がわずかに減少し、2剤での処方率が微増した。

これを受け、厚生労働省では、医療従事者に対しては以下のような情報提供を行うとしている。

  • 抗不安薬や睡眠薬の処方に際しては、残薬の有無や他の医療機関からの処方の有無について確認するなど、充分に注意を払うこと

  • 抗不安薬や睡眠薬については、薬物依存の可能性などに注意し、同種の薬剤を3種類以上処方する必要性について充分に考慮すること

また、一般の人に対しては以下のような情報提供を行うとしている。

  • 1回の処方で抗不安薬が3種類以上、または、1回の処方で睡眠薬が3種類以上のいずれかの処方を受けている場合には、主治医に処方の内容について充分な確認をすること、あるいは、かかりつけの薬剤師らに確認することなどについて、必要に応じ、検討すること