原田知世と大泉洋が夫婦役で共演した映画『しあわせのパン』の完成披露試写会が23日、北海道・ユナイテッド・シネマ札幌で行われ、原田と大泉、三島有紀子監督が舞台あいさつに登壇した。

同作は、東京から北海道へと移住してオーベルジュ式のパンカフェ「マーニ」を営むりえ(原田)と水縞(大泉)の若い夫婦と、様々な想いを抱いて「マーニ」に訪れる人々との交流を描いたヒューマンストーリー。物語の舞台は洞爺湖のほとりにある小さな町・月浦で、2010年と2011年の2度にわたってのオール北海道ロケ、全て現地で撮影を行っている。

舞台挨拶に登壇した三島有紀子監督(左)、原田知世(中)、大泉洋(右)。(C)2011『しあわせのパン』製作委員会

試写終了後に3人が登場すると、会場から大きな拍手と大歓声が上がり、この日を迎えられたことを「今日の北海道の青空のような気分」と表現した原田は「月浦にいるだけで癒されました。撮影中、徹夜して大変でもどんどん表情をかえる月浦をみてるだけでいろんな栄養をもらえてました」と北海道ロケを振り返った。大泉は「場所が綺麗ですので癒されましたし、宿泊していたのが洞爺湖温泉だったので毎晩温泉に入って最高でした。だいたいの映画があそこで撮っていんじゃないかと思うんですよね(笑)」と笑いを誘い、三島監督は「北海道の野菜の色が綺麗で、みずみずしさを強調してフィルムに焼きつけたいと思っていました。パンも生地がおいしそうじゃなくてはいけないので、今回は、自然や素材に合わせて撮影しました」と振り返り、ロケ中には大泉からスープカレーの差し入れがあったというエピソードも明かした。

今回、水縞尚という妻を見守る優しい夫を演じた大泉は「やさしいダンナ様を演じさせていただきまして、ひょっとしたら今、皆さまの夢をぶち壊したかもしれません(笑)。『やっぱりこうか大泉は』的な感じで、いきなりぼやいたみたいなでございますけれども、映画のほうはとってもやさしい、ほっこりした映画です」と話した。また、三島監督は「ここで生きている感覚と、何を感じて生きているのかを知りたいと思ったとき、矢野顕子さんと忌野清志郎さんの『ひとつだけ』が頭に流れてきて、それぞれのひとの『ひとつだけ』を描けたらいいなと思いました」と頭に描いていたイメージを明かした。

後半にはサプライズとして北海道の素材を使った特製「しあわせのパン」が登場し、3人は大興奮。そして原田は「長崎の生まれで雪への憧れもあったし、北海道に来てたくさんの方の愛情にふれて、できたことがたくさんあると思います」と故郷を思い出しながら、ロケで触れ合った人々に感謝の気持ちを伝えた。大泉は『探偵~』に続くシリーズ化を希望し、「第2弾もぜひ作っていただきたい。しあわせのパンツ(2)ですね。パンもパンツも夫婦でわけ合う夫婦の物語をぜひ!」と笑いを交えて作品をアピール。最後には「まずは北海道の人がたくさん見ることによって、それが広がって道外の皆さんが観るわけで、そうすると洞爺湖に行ってみようとなり、洞爺湖にお客さんがきて、また北海道の経済が回っていくわけです。『探偵』のときにも同じことを言いましたけども(笑)、とにかくみんなで頑張って北海道の経済を良くしていこうではありませんか」とメッセージを伝えた。

「しあわせのパン」は2012年1月28日より全国公開。これに先立ち道内では1月21日より先行公開される。