厚生労働省は24日、食品に含まれる放射性セシウムの規制値に関し、新たな規制値における食品区分の案を、同日開催した薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会に提案し、了承された。この食品区分案では、新たに「乳児用食品」の分類を新設する案が示されている。

現在の暫定規制値では、全食品を5つの食品区分(「飲料水」「牛乳・乳製品」「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」)に分けて、各食品区分に1ミリシーベルトずつを割り当て、年代別の摂取量と感受性を考慮して規制値を設定している。

厚労省では、新たな規制値に関する考え方として、新たな食品区分の設定にあたっては、以下の点を考慮して、食品全体を一つの区分(一般食品)で管理することを原則とする案を示した。

  • 個人の食習慣の違い(摂取する食品の偏り)の影響を最小限にすることが可能であること

  • 国民にとって、分かりやすい規制となること

  • 食品の国際規格を策定しているコーデックス委員会などの国際的な考え方と整合すること

ただし、以下の食品には特別な配慮が必要と考えられるとし、特別な区分を設け、全体として4区分とするとしている。

飲料水 飲料水は、全ての人が何らかの形で摂取し代替がきかず、摂取量が大きいこと、WHOが飲料水中の放射性物質の指標値を示していること、水道水中の放射性物質は厳格な管理が可能であることを踏まえ、独立した区分とする
(※「飲料水」とは、直接飲用する水、調理に使用する水及び飲料水との代替関係にある茶・コーヒーなど)
乳児用食品 粉ミルクなどは、子どもだけが食べる食品であり、食品安全委員会から、「小児の期間については、感受性が成人より高い可能性」が指摘されていることを考慮して、独立した区分とする
牛乳 牛乳などは、子どもの摂取量が特に多いため、食品安全委員会から、「小児の期間については、感受性が成人より高い可能性」が指摘されていることを考慮して、独立した区分とする