国際宇宙ステーションに長期滞在している古川聡宇宙飛行士が27日、「きぼう」日本実験棟において、10月1日公開の映画『はやぶさ/HAYABUSA』(堤幸彦監督)を鑑賞した。

国際宇宙ステーションでカメラに向かって笑顔を見せる古川聡宇宙飛行士と、しずちゃん、鶴見辰吾、的川泰宣氏(左から)

今回、同映画の配給元である20世紀FOX映画が、商業目的などに有料で「きぼう」を使える制度を活用して、"宇宙試写会"を実施。茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構・筑波宇宙センターから9分間のダイジェスト映像データを宇宙ステーションにあるノートPCに送信し、古川飛行士が同PCで映像を鑑賞した。

この模様は、筑波宇宙センターの実験運用管制室内にあるスクリーンに映し出され、同作で、イオンエンジン開発責任者の國中均氏をモデルとした喜多役を演じた鶴見辰吾と応援サポーターのしずちゃん(南海キャンディース)、JAXAの的川泰宣名誉教授らが見守った。

古川飛行士は、映像を見ながら、時折微笑んだり、「うんうん」とうなづき、映像が終わるとニッコリとカメラに向けて微笑み、「この国際宇宙ステーションの中でこの映像を観られたことが非常に感慨深いです。竹内(結子)さん、西田(敏行)さんをはじめ、キャストのみなさんの熱演も素晴らしかったですし、堤監督の演出では様々なものがリアルに再現されていて驚きました。私自身、宇宙に向けた12年間の訓練で、7年間もかけて目的を達成したはやぶさには勇気づけられました」と感想を語った。

たった一人の宇宙試写会の様子を見守るしずちゃんと鶴見

古川飛行士は「宇宙で試写を行うのは世界初ではないでしょうか?しずちゃん、ボクシングでも"はやぶさ精神"でがんばってください! Never give up!」とメッセージを

さらに、「はやぶさのプロジェクトにはたくさんの人々、たくさんの企業の方々が一人一人にできることを行って目的を遂げました。いま日本は東日本大震災で大きな困難に立ち向かっておりますが、いまこそ"あきらめない"はやぶさ精神を世界に見せるときだと思います。被災者のみなさんとともにがんばりましょう!」とエールを送っていた。